礼記 / 檀弓上
喪事欲其縱縱爾,吉事欲其折折爾。故喪事雖遽不陵節,吉事雖止不怠。故騷騷爾則野,鼎鼎爾則小人,君子蓋猶猶爾。 喪具,君子恥具。一日二日而可為也者,君子弗為也。
新字:喪事欲其縦縦爾,吉事欲其折折爾。故喪事雖遽不陵節,吉事雖止不怠。故騷騷爾則野,鼎鼎爾則小人,君子蓋猶猶爾。 喪具,君子恥具。一日二日而可為也者,君子弗為也。
書き下し
喪事は其の縦縦爾(そうそうじ)たるを欲し、吉事は其の折折爾(ていていじ)たるを欲す。故に喪事は遽(すみや)かなりと雖も節を陵(こ)えず、吉事は止まると雖も怠らず。故に騒騒爾たれば則ち野、鼎鼎爾(ていていじ)たれば則ち小人、君子は蓋し猶猶爾(ゆうゆうじ)たり。 喪具は、君子具うるを恥ず。一日二日にして為すべき者は、君子為さざるなり。
現代語訳
喪の事では、せわしなく急ぐ様子であることが望ましく、吉事では、ゆったりと落ち着いた様子であることが望ましい。だから喪の事は急いでいても順序を飛び越えることはなく、吉事は立ち止まって待つことがあっても怠けることはない。あまりに慌ただしければ粗野であり、あまりに緩慢であれば小人である。君子は急ぎすぎず緩めすぎず、その中ほどを保つ。 喪の道具については、君子は(親の生前から)それを全部そろえておくことを恥じる。一日二日で作れるようなものは、君子は前もって作っておかない。
解説
喪と吉の場での動作の速さと、喪具の備え方を説く段である。鄭玄は「縦縦爾」を事に急ぐさま、「折折爾」を安らかにゆったりしたさまと注し、「騒騒」は速すぎ、「鼎鼎」は緩すぎで、君子の「猶猶爾」はその中ほどだとする。喪の場では、悲しみに駆り立てられて自然と動作が急になるが、それでも段取りを飛ばしてはならない。後半は、親の生前に喪具をすべて整えておくことを君子は恥じるという話である。鄭玄は、親の死を待ち望んでいると思われるのを避けるためと注し、一日二日で作れるものは絞・紟・衾・冒のような布類を指すとする。終活や葬儀の事前準備が一般的になった今でも、備えることと心の向け方との釣り合いを考えさせる一節である。
この章句が説くこと
礼記喪礼節度喪具中庸
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