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礼記 / 曲礼下

五官致貢曰「享」,五官之長曰「伯」,是職方,其擯於天子也,曰「天子之吏」:天子同姓謂之「伯父」,異姓謂之「伯舅」,自稱於諸侯曰「天子之老」,於外曰「公」,於其國曰「君」。九州之長,入天子之國曰「牧」:天子同姓,謂之「叔父」,異姓謂之「叔舅」,於外曰「侯」,於其國曰「君」。其在東夷、北狄、西戎、南蠻,雖大曰「子」,於內自稱曰「不穀」,於外自稱曰「王老」。庶方小侯,入天子之國曰「某人」,於外曰「子」,自稱曰「孤」。

新字:五官致貢曰「享」,五官之長曰「伯」,是職方,其擯於天子也,曰「天子之吏」:天子同姓謂之「伯父」,異姓謂之「伯舅」,自称於諸侯曰「天子之老」,於外曰「公」,於其国曰「君」。九州之長,入天子之国曰「牧」:天子同姓,謂之「叔父」,異姓謂之「叔舅」,於外曰「侯」,於其国曰「君」。其在東夷、北狄、西戎、南蠻,雖大曰「子」,於内自称曰「不穀」,於外自称曰「王老」。庶方小侯,入天子之国曰「某人」,於外曰「子」,自称曰「孤」。

書き下し

五官の貢を致すを「享」と曰う。五官の長を「伯」と曰う。是れ職方なり。其の天子に擯(ひん)せらるるや、「天子の吏」と曰う。天子同姓なればこれを「伯父」と謂い、異姓なればこれを「伯舅(はくきゅう)」と謂う。自ら諸侯に称して「天子の老」と曰い、外に於いては「公」と曰い、其の国に於いては「君」と曰う。九州の長、天子の国に入りては「牧」と曰う。天子同姓なれば、これを「叔父」と謂い、異姓なればこれを「叔舅」と謂う。外に於いては「侯」と曰い、其の国に於いては「君」と曰う。其の東夷・北狄・西戎・南蛮に在るは、大なりと雖も「子」と曰う。内に於いて自ら称して「不穀」と曰い、外に於いて自ら称して「王老」と曰う。庶方の小侯、天子の国に入りては「某人」と曰い、外に於いては「子」と曰い、自ら称して「孤」と曰う。

現代語訳

五官がそれぞれの職務の成果を天子に献上することを「享」という。五官の長を「伯」という。この伯は四方の諸侯を分担して治める者である。伯が天子の前で取り次ぎの者に紹介されるときは「天子の吏」と呼ばれる。天子と同姓であれば天子はこれを「伯父」と呼び、異姓であれば「伯舅」と呼ぶ。伯が諸侯に対して自らを称するときは「天子の老」といい、畿外の国々では「公」と呼ばれ、自分の国では「君」と呼ばれる。九州(天下を九つに分けた州)のそれぞれの長が天子の都に入ると「牧」と呼ばれる。天子と同姓であれば天子はこれを「叔父」と呼び、異姓であれば「叔舅」と呼ぶ。畿外では「侯」と呼ばれ、自分の国では「君」と呼ばれる。東夷・北狄・西戎・南蛮の地にある国の君は、国が大きくても「子」と呼ばれる。その君は国内では自らを「不穀」と称し、国外では自らを「王老」と称する。四方の小国の君は、天子の都に入ると「某人」と呼ばれ、国外では「子」と呼ばれ、自らを「孤」と称する。

解説

天子のもとにある諸侯を、その立場と場所に応じてどう呼び分けるかを定めた段である。五官の長である伯、九州の長である牧、四方の異民族の君、小国の君と、それぞれに天子が呼ぶ名、他国で呼ばれる名、自国で呼ばれる名、自ら名乗る名が定められている。天子が同姓の伯を「伯父」、異姓の伯を「伯舅」と呼ぶように、天子と諸侯の関係を親族の呼称になぞらえているのが特色で、周の封建制が血縁と婚姻のつながりを軸に組み立てられていたことを反映している。同じ人物が、天子の前、他国、自国でそれぞれ異なる名で呼ばれるのは、名がその人の立場と関係を映すものと考えられたからである。四方の異民族の君は、国がどれほど大きくても「子」と呼ばれるという規定には、中華を中心に据える古代の世界観がそのまま表れている。場面ごとに肩書きや呼び方が変わるのは今の社会でも同じで、相手をどう呼ぶかに関係の捉え方が表れるという点は変わらない。

この章句が説くこと

礼記称号諸侯封建曲礼

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