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礼記 / 曲礼下

天子有后,有夫人,有世婦,有嬪,有妻,有妾。 天子建天官,先六大,曰大宰、大宗、大史、大祝、大士、大卜,典司六典。天子之五官:曰司徒、司馬、司空、司士、司寇,典司五眾。天子之六府:曰司土、司木、司水、司草、司器、司貨,典司六職。天子之六工:曰土工、金工、石工、木工、獸工、草工,典制六材。

新字:天子有后,有夫人,有世婦,有嬪,有妻,有妾。 天子建天官,先六大,曰大宰、大宗、大史、大祝、大士、大卜,典司六典。天子之五官:曰司徒、司馬、司空、司士、司寇,典司五衆。天子之六府:曰司土、司木、司水、司草、司器、司貨,典司六職。天子之六工:曰土工、金工、石工、木工、獣工、草工,典制六材。

書き下し

天子に后有り、夫人有り、世婦有り、嬪(ひん)有り、妻有り、妾有り。 天子は天官を建て、六大を先にす。曰く大宰・大宗・大史・大祝・大士・大卜、六典を典司す。天子の五官は、曰く司徒・司馬・司空・司士・司寇、五衆を典司す。天子の六府は、曰く司土・司木・司水・司草・司器・司貨、六職を典司す。天子の六工は、曰く土工・金工・石工・木工・獣工・草工、六材を典制す。

現代語訳

天子には后(正妃)があり、夫人があり、世婦があり、嬪があり、妻があり、妾がある。 天子は天の秩序にかたどった官を立て、まず六大という六つの長官を置く。大宰(政務の総括)・大宗(宗廟の礼)・大史(記録と暦)・大祝(祭りの祝詞)・大士(神事に仕える士)・大卜(占い)で、六つの典則をつかさどる。天子の五官は、司徒(民と教化)・司馬(軍事)・司空(土木)・司士(官吏の人事)・司寇(刑罰)で、五つの部門の人々を統べる。天子の六府は、司土・司木・司水・司草・司器・司貨で、土地・木材・水・草・器物・財貨の六つの職を管理する。天子の六工は、土工・金工・石工・木工・獣工・草工で、土・金属・石・木・獣皮・草の六つの材料から器物を作ることをつかさどる。

解説

天子の後宮の序列と、朝廷の官制の大枠を列挙した段である。前半は后から妾までの六等を挙げ、後半は六大・五官・六府・六工という四つの官の系統を示す。祭祀と記録と占いを担う六大を筆頭に置き、民政・軍事・土木・人事・刑罰の五官、物資を管理する六府、ものづくりを担う六工と続く配列は、神事を先にして実務を後にする古代国家の価値の序列を映している。鄭玄はこの官制について、周の制度ではなく殷の時の制度であろうと注し、周では六工はみな司空に属したと述べている。礼記の中には周以前の制度の記憶も混ざっており、ここに記された官制がそのまま実在したとは限らないことには注意がいる。とはいえ、国家の営みを祭祀・政務・物資・生産という機能ごとに分け、それぞれに専門の長を置くという発想は、後の中国の官僚制の基本となった。組織を機能ごとに分けて責任者を置くという考え方は、今の会社の部門の設計とも通じるところがある。

この章句が説くこと

礼記官制天子組織曲礼

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