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礼記 / 曲礼下

凡奉者當心,提者當帶。執天子之器則上衡,國君則平衡,大夫則綏之,士則提之。凡執主器,執輕如不克。執主器,操幣、圭、璧,則尚左手,行不舉足,車輪曳踵。立則磬折垂佩。主佩倚,則臣佩垂;主佩垂,則臣佩委。執玉:其有藉者,則裼;無藉者,則襲。

新字:凡奉者当心,提者当帯。執天子之器則上衡,国君則平衡,大夫則綏之,士則提之。凡執主器,執軽如不克。執主器,操幣、圭、璧,則尚左手,行不舉足,車輪曳踵。立則磬折垂佩。主佩倚,則臣佩垂;主佩垂,則臣佩委。執玉:其有藉者,則裼;無藉者,則襲。

書き下し

凡そ奉ずる者は心に当て、提(さ)ぐる者は帯に当つ。天子の器を執るには則ち衡(こう)より上にし、国君には則ち衡に平らかにし、大夫には則ちこれを綏(くだ)し、士には則ちこれを提ぐ。凡そ主器を執るには、軽きを執るも克(た)えざるが如くす。主器を執り、幣・圭・璧を操るには、則ち左手を尚び、行くに足を挙げず、車輪のごとく踵を曳く。立てば則ち磬折(けいせつ)して佩(はい)を垂る。主の佩倚(よ)れば、則ち臣の佩垂れ、主の佩垂るれば、則ち臣の佩委(ゆだ)ぬ。玉を執るに、其の藉(しゃ)有る者は則ち裼(せき)し、藉無き者は則ち襲(しゅう)す。

現代語訳

およそ両手で捧げ持つときは胸の高さに、手に提げるときは帯の高さにする。天子の器を持つときは胸の高さより上に掲げ、国君の器を持つときは胸と同じ高さにし、大夫の器を持つときはそれより低くし、士の器を持つときは手に提げる。およそ主君の器を持つときは、軽い物でも重くて持ちこたえられないかのように慎重に持つ。主君の器を持ち、また幣帛(へいはく、贈り物の絹)や圭(けい、上端のとがった玉器)・璧(へき、中央に穴のある円い玉器)を手にするときは、左手を上にして持ち、歩くときは足を高く上げず、車輪が地をころがるように踵を引きずって進む。立つときは磬(けい、への字形の打楽器)のように腰を折って身をかがめ、腰に下げた佩玉が垂れ下がるようにする。主君の佩玉が身に沿って寄りかかる程度にかがめば、臣は佩玉が垂れるほどにかがめ、主君の佩玉が垂れるほどにかがめば、臣は佩玉が地に着くほどにかがめる。玉を持つとき、敷物を添える場合は上衣の前を開いて下の衣を見せ、敷物を添えない場合は上衣を合わせて覆う。

解説

曲礼下篇の冒頭で、器物を持つ高さと、主君の器や玉を扱うときの所作を定めた段である。捧げ持つなら胸、提げるなら帯の高さを基準とし、器の持ち主が天子・国君・大夫・士と下がるにつれて持つ高さも下げていく。鄭玄は衡を胸の高さと注している。持つ高さという目に見える形で、身分の差と敬意の程度を示すのである。とりわけ「軽きを執るも克えざるが如くす」の句は、主君の器であれば軽い物でも重い物のように慎重に扱えということで、物の重さではなく、その物に託された意味の重さに応じて扱うという考えを示している。歩くときに足を上げず踵を引きずるのは、器を落とさないための所作でもある。立ったときの身のかがめ方を、主君より一段深くするという規定も、姿勢で上下の秩序を表すものである。預かった物を、持ち主の気持ちまで含めて丁寧に扱うという姿勢は、人から預かった書類や品を扱う今の仕事にも通じる。

この章句が説くこと

礼記器物玉敬曲礼

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