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礼記 / 曲礼上

卒哭乃諱。禮,不諱嫌名。二名不偏諱。逮事父母,則諱王父母;不逮事父母,則不諱王父母。君所無私諱,大夫之所有公諱。《詩》《書》不諱,臨文不諱。廟中不諱。夫人之諱,雖質君之前,臣不諱也;婦諱不出門。大功、小功不諱。入竟而問禁,入國而問俗,入門而問諱。

新字:卒哭乃諱。礼,不諱嫌名。二名不偏諱。逮事父母,則諱王父母;不逮事父母,則不諱王父母。君所無私諱,大夫之所有公諱。《詩》《書》不諱,臨文不諱。廟中不諱。夫人之諱,雖質君之前,臣不諱也;婦諱不出門。大功、小功不諱。入竟而問禁,入国而問俗,入門而問諱。

書き下し

卒哭(そっこく)して乃ち諱(い)む。礼は、嫌名を諱まず。二名は遍く諱まず。父母に逮(およ)び事うれば、則ち王父母を諱む。父母に逮び事えざれば、則ち王父母を諱まず。君の所には私諱無く、大夫の所には公諱有り。詩・書には諱まず、文に臨みては諱まず。廟中には諱まず。夫人の諱は、君の前に質(ただ)すと雖も、臣は諱まず。婦の諱は門を出でず。大功・小功は諱まず。竟(さかい)に入りては禁を問い、国に入りては俗を問い、門に入りては諱を問う。

現代語訳

死者の名を口にするのを避ける諱(いみな)は、卒哭(そっこく、葬儀のあと声を上げて泣く礼を終える祭り)を済ませてから始める。礼では、音の似ている名までは避けない。二字の名は、二字をそろえて言うときだけ避け、一字ずつは避けない。父母の生前に仕えることができた者は、祖父母の名も避ける。父母に仕えることができなかった者は、祖父母の名を避けない。君のいる所では自分の家の諱を避けることはなく、大夫のいる所では君の家の諱を避ける。詩経や書経を読むときには諱を避けず、文章を書くときにも避けない。宗廟の中では避けない。君の夫人の家の諱は、たとえ君の前で話すときでも、臣は避けない。妻の家の諱は家の門の内だけで避ける。大功・小功(ともに九か月・五か月の喪に当たる比較的遠い親族)の親族の名は避けない。国境に入ったらその国の禁令を尋ね、都に入ったらその土地の習俗を尋ね、人の家の門に入ったらその家の諱を尋ねる。

解説

死者の名を口にすることを避ける「諱」の規定をまとめた段である。鄭玄は、卒哭の後に諱むのは鬼神となった者の名を敬うためで、生きている者どうしは名を避け合わないと注している。そのうえで、音の似た名まで避けない、二字の名は一字ずつなら避けない、と範囲を限る。鄭玄は、嫌名とは禹と雨、丘と区のように音の近いものであり、孔子の母の名が徴在であったので、孔子は「在」と言うときは「徴」と言わず、「徴」と言うときは「在」と言わなかったと例を挙げている。諱を広げすぎれば日常の言葉が不自由になるので、敬意と実用の釣り合いを取っているのである。詩書を読むとき、文章を書くとき、廟の中では避けないという規定も、経典の言葉や祭りの言葉を曲げないためである。結びの「竟に入りては禁を問い、国に入りては俗を問い、門に入りては諱を問う」は、鄭玄が「皆主人を敬うためなり」と注する名句で、「郷に入っては郷に従え」に通じる。訪れた先の決まりと事情をまず尋ねる姿勢は、今の異動や海外赴任でもそのまま役に立つ。

この章句が説くこと

礼記諱入国問俗敬曲礼

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