礼記 / 曲礼上
外事以剛日,內事以柔日。凡卜筮日,旬之外曰「遠某日」,旬之內曰「近某日」。喪事先遠日,吉事先近日。曰:「為日,假爾泰龜有常。」「假爾泰筮有常。」卜筮不過三,卜筮不相襲。
新字:外事以剛日,内事以柔日。凡卜筮日,旬之外曰「遠某日」,旬之内曰「近某日」。喪事先遠日,吉事先近日。曰:「為日,仮爾泰亀有常。」「仮爾泰筮有常。」卜筮不過三,卜筮不相襲。
書き下し
外事は剛日(ごうじつ)を以てし、内事は柔日を以てす。凡そ卜筮の日は、旬の外には「遠き某日」と曰い、旬の内には「近き某日」と曰う。喪事は遠日を先にし、吉事は近日を先にす。曰く、「日を為(おさ)むるに、爾(なんじ)の泰亀の常有るに仮(よ)る」、「爾の泰筮の常有るに仮る」と。卜筮は三を過ぎず、卜筮は相襲(かさ)ねず。
現代語訳
外の事(出兵や外交など)は剛日(十干の甲・丙・戊・庚・壬の日)に行い、内の事(祭祀や婚礼など)は柔日(乙・丁・己・辛・癸の日)に行う。およそ占いで日を決めるとき、十日より先の日については「遠い某日」と言い、十日以内の日については「近い某日」と言って神意を問う。喪の事は遠い日から先に占い、めでたい事は近い日から先に占う。占うときの言葉は「日を定めるにあたり、常に変わらぬ霊験をもつ大いなる亀に頼る」、また「常に変わらぬ霊験をもつ大いなる筮に頼る」と唱える。占いは三度を超えて繰り返さず、亀卜と筮とを重ねて行わない。
解説
事を行う日を占いで選ぶ際の規定である。古代中国では日を十干で数え、奇数に当たる甲・丙・戊・庚・壬を剛日、偶数に当たる乙・丁・己・辛・癸を柔日とした。外に向かう軍事や外交は剛日、内なる祭りや家の事は柔日という区別は、陰陽の考えを日取りに当てはめたものである。喪事は遠い日から、吉事は近い日から占うのは、悲しみの事は急がずに先へ延ばしたいという情と、喜びの事は早く行いたいという情に沿ったものとされる。とりわけ重要なのは結びの「卜筮は三を過ぎず、卜筮は相襲ねず」である。鄭玄は、亀卜が不吉だったので筮で占い直し、筮が不吉ならまた卜するのは亀と筮を冒涜することだと注し、晋の献公が驪姫をめとる際に卜が不吉だったのに筮で占い直させた故事を挙げている。望む答えが出るまで占い直すのは、神意を問うのではなく自分の欲を通しているにすぎないという戒めである。都合のよい結論が出るまで調査や会議を繰り返していないか、という問いとして今も読める。
この章句が説くこと
礼記卜筮日取り占い曲礼
関連する章句
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礼記・曲礼上亀を卜と為し、筴(さく)を筮(ぜい)と為す。卜筮は、先聖王の民をして時日を信じ、鬼神を敬い、法令を畏れしむる所以なり。民をして嫌疑を決し、猶与(ゆうよ)を定めしむる所以なり。故に曰く、「疑いてこれを筮すれば、則ち非とせず。日してことを行えば、則ち必ずこれを践む」と。 君の車将に駕せんとすれば、則ち僕は策を執りて馬前に立つ。已に駕すれば、僕は軨(れい)を展(み)て駕を効(いた)し、衣を奮いて右由り上り、弐綏(じすい)を取り、跪きて乗り、策を執り轡(たづな)を分かち、これを駆りて、五歩にして立つ。君出でて車に就けば、則ち僕は轡を并(あわ)せて綏を授く。左右攘辟(じょうへき)し、車駆りて騶(はし)る。大門に至れば、君は僕の手を撫し、顧みて車右に命じて車に就かしむ。門閭・溝渠には必ず歩す。凡そ僕人の礼は、必ず人に綏を授く。若し僕者降等なれば、則ち受く。然らざれば、則ち否(しか)せず。若し僕者降等なれば、則ち僕の手を撫し、然らざれば、則ち自ら下よりこれを拘(と)る。
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史記 宋微子世家稽疑。択びて卜筮の人を建立す。乃ち卜筮に命ず。雨と曰ひ、済と曰ひ、涕と曰ひ、霧と曰ひ、克と曰ひ、貞と曰ひ、悔と曰ふ、凡そ七。卜は五、占は二を用ひ、衍貣(えんとく)す。時の人を立てて卜筮を為さしめ、三人占はば則ち二人の言に従ふ。女則ち大疑有らば、謀ること女の心に及ぼし、謀ること卿士に及ぼし、謀ること庶人に及ぼし、謀ること卜筮に及ぼせ。女則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士従ひ、庶民従ふ、是を之れ大同と謂ふ。而の身其れ康彊にして、而の子孫其れ吉に逢はん。女則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士逆らひ、庶民逆らふも、吉。卿士従ひ、亀従ひ、筮従ひ、女則ち逆らひ、庶民逆らふも、吉。庶民従ひ、亀従ひ、筮従ひ、女則ち逆らひ、卿士逆らふも、吉。女則ち従ひ、亀従ひ、筮逆らひ、卿士逆らひ、庶民逆らはば、内に作せば吉、外に作せば凶。亀筮共に人に違はば、静を用ふれば吉、作を用ふれば凶。庶徴。雨と曰ひ、陽と曰ひ、奥と曰ひ、寒と曰ひ、風と曰ひ、時と曰ふ。五者来たりて備はり、各々其の序を以てせば、庶草繁廡す。一極めて備はるも、凶。一極めて亡きも、凶。休徴を曰ふ。粛と曰へば、時雨若(したが)ふ。治と曰へば、時暘若ふ。知と曰へば、時奥若ふ。謀と曰へば、時寒若ふ。聖と曰へば、時風若ふ。咎徴を曰ふ。狂と曰へば、常雨若ふ。僭と曰へば、常暘若ふ。舒と曰へば、常奥若ふ。急と曰へば、常寒若ふ。霧と曰へば、常風若ふ。王の眚(み)るは維れ歳、卿士は維れ月、師尹は維れ日。歳月日時易はること毋くんば、百穀用て成り、治用て明らかに、畯民用て章(あら)はれ、家用て平康なり。日月歳時既に易はらば、百穀用て成らず、治用て昏くして明らかならず、畯民用て微(かく)れ、家用て寧からず。庶民は維れ星、星に風を好むもの有り、星に雨を好むもの有り。日月の行、冬有り夏有り。月の星に従へば、則ち以て風雨あり。五福。一を寿と曰ひ、二を富と曰ひ、三を康寧と曰ひ、四を攸好徳と曰ひ、五を考終命と曰ふ。六極。一を凶短折と曰ひ、二を疾と曰ひ、三を憂と曰ひ、四を貧と曰ひ、五を悪と曰ひ、六を弱と曰ふ」と。
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礼記・曲礼上生には来日を与(かぞ)え、死には往日を与う。 生を知る者は弔(ちょう)し、死を知る者は傷む。生を知りて死を知らざれば、弔して傷まず。死を知りて生を知らざれば、傷みて弔せず。 喪を弔して賻(ふ)すること能わざれば、其の費やす所を問わず。疾を問いて遺(おく)ること能わざれば、其の欲する所を問わず。人を見て館すること能わざれば、其の舎(やど)る所を問わず。人に賜う者は「来たり取れ」と曰わず。人に与うる者は其の欲する所を問わず。
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礼記・表記子曰く、「君子は色を以て人に親しまず。情疏(うと)くして貌(かたち)親しきは、小人に在りては則ち穿窬(せんゆ)の盗なるか」と。子曰く、「情は信ならんことを欲し、辞は巧みならんことを欲す」と。 子言う、「昔、三代の明王は皆天地の神明に事え、卜筮(ぼくぜい)の用に非ざること無し。敢えてその私を以て上帝に褻(な)れ事えず。是の故に日月を犯さず、卜筮に違わず。卜筮は相襲(かさ)ねず。大事には時日有り、小事には時日無くして筮有り。外事には剛日を用い、内事には柔日を用う。亀筮に違わず」と。
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説苑・反質鬼神を信ずる者は謀を失い、日を信ずる者は時を失う、何を以て其の然るを知るや?夫れ賢聖周く知り、能く時日せずして事利す。法令を敬い、功勞を貴べば、卜筮せずして身吉なり。仁義を謹み、道理に順えば、禱祠せずして福あり。故に卜數して日を擇び、齋戒を潔くし、犧牲を肥やし、珪璧を飾り、祠祀を精しくすとも、終に悖逆の禍を除く能わず、神明知る有りて之に事うるを以て、乃ち道に背き妄行せんと欲して祠祀を以て福を求めば、神明必ず之に違わん。天子は天地・五嶽・四瀆を祭り、諸侯は社稷を祭り、大夫は五祀を祭り、士は門戶を祭り、庶人は其の先祖を祭る。聖王は天心を承けて、禮分を制するなり。凡そ古の日を卜する者は、將に以て道を輔け疑を稽え、先んずる所有りて敢えて自ら專らにせざるを示さんとするなり、顛倒の惡を以て安全を幸わんと欲するに非ざるなり。孔子曰く、「其の鬼に非ずして之を祭るは、諂なり。」と。是を以て泰山終に李氏の旅を享けず、易に東鄰の牛を殺すは、西鄰の禴祭に如かずと稱するは、蓋し禮を重んじて牲を貴ばず、實を敬いて華を貴ばざるなり。誠に其の德有りて之を推せば、則ち安くに往くとも可ならざる無し。是を以て聖人は人の文を見て、必ず其の質を考うるなり。
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史記 亀策列伝行くは行かず。来たるは来たらず。人に見えんとするも見えず。言語定まる。百事尽く吉ならず。此れ首俯足肣身節折なり。以て卜するに求むる有れども得ず。病者は死す。繋留せらるれば罪有り。行く者を望むも来たらず。行くは行く。来たるは来たらず。人に見えんとするも見えず。此れ挺内外自垂なり。以て卜するに求むる有れども晦(あき)らかならず。病は死せず、起き難し。繋留せらるるも罪毋けれども、出で難し。行くは行かず。来たるは来たらず。人に見えんとするも見えず。吉ならず。此れ横吉楡仰首俯なり。以て卜するに求むる有れども得難し。病は起き難けれども、死せず。繋がれば出で難けれども、傷む毋きなり。家室に居り、以て婦を娶り女を嫁す可し。此れ横吉上柱載正身節折内外自挙なり。以て病者を卜するに、卜日には死せず、其の一日にして乃ち死す。此れ横吉上柱足肣内自挙外自垂なり。以て病者を卜するに、卜日には死せず、其の一日にして乃ち死す。首俯足詐有外無内。病者、亀を占ひて未だ已まざるに、急ぎ死す。卜するに軽く失へば大なり。一日にして死せず。首仰足肣。以て卜するに求むる有れども得ず。以て繋がるれば罪有り。人の言語之を恐れしむれども傷む毋し。行くは行かず。人に見えんとするも見えず。大論に曰く、外なる者は人なり、内なる者は自我なり。外なる者は女なり、内なる者は男なり。首俛する者は憂ふ。大なる者は身なり、小なる者は枝なり。大法、病者は、足肣む者は生き、足開く者は死す。行く者は、足開けば至り、足肣む者は至らず。行く者は、足肣めば行かず、足開けば行く。求むる有るは、足開けば得、足肣む者は得ず。繋がるる者は、足肣めば出でず、開けば出づ。其の病を卜するや、足開きて死する者は、内高くして外下るなり。
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