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礼記 / 曲礼上

適墓不登壟,助葬必執紼。臨喪不笑。揖人必違其位。望柩不歌。入臨不翔。當食不歎。鄰有喪,舂不相。里有殯,不巷歌。適墓不歌。哭日不歌。送喪不由徑,送葬不辟塗潦。臨喪則必有哀色,執紼不笑,臨樂不歎;介冑則有不可犯之色。故君子戒慎,不失色於人。國君撫式,大夫下之。大夫撫式,士下之。

新字:適墓不登壟,助葬必執紼。臨喪不笑。揖人必違其位。望柩不歌。入臨不翔。当食不嘆。鄰有喪,舂不相。里有殯,不巷歌。適墓不歌。哭日不歌。送喪不由径,送葬不辟塗潦。臨喪則必有哀色,執紼不笑,臨楽不嘆;介冑則有不可犯之色。故君子戒慎,不失色於人。国君撫式,大夫下之。大夫撫式,士下之。

書き下し

墓に適(ゆ)きては壟(つか)に登らず、葬を助くるには必ず紼(ふつ)を執る。喪に臨みては笑わず。人に揖(ゆう)するには必ず其の位を違(さ)る。柩を望みては歌わず。入りて臨(りん)するには翔らず。食に当たりて歎(たん)ぜず。隣に喪有れば、舂(うすづ)くに相(そう)せず。里に殯(ひん)有れば、巷に歌わず。墓に適きては歌わず。哭する日は歌わず。喪を送るには径(こみち)に由らず、葬を送るには塗潦(とろう)を辟(さ)けず。喪に臨みては則ち必ず哀色有り、紼を執りては笑わず、楽に臨みては歎ぜず。介冑(かいちゅう)には則ち犯すべからざるの色有り。故に君子は戒慎し、色を人に失わず。国君は式を撫し、大夫はこれに下る。大夫は式を撫し、士はこれに下る。

現代語訳

墓に行っても墓の盛り土に登らず、葬儀を手伝うときは必ず柩車を引く綱を手に取る。喪の場に臨んでは笑わない。人に会釈するときは、必ず自分の立つ位置を離れて行う。柩を遠くに見かけたら歌わない。喪家に入って哭礼に加わるときは、腕を振って勢いよく歩かない。食事の席ではため息をつかない。隣家に喪があれば、臼をつくときに掛け声をかけない。村に殯(もがり、埋葬前に遺体を安置すること)をしている家があれば、町なかで歌わない。墓に行ったら歌わない。弔問して哭したその日は歌わない。喪の列を送るときは近道をせず、葬列を送るときは道のぬかるみを避けない。喪に臨むときは必ず悲しみの表情をたたえ、柩車の綱を引くときは笑わず、音楽の場ではため息をつかない。鎧兜を身に着けたときは、犯しがたい厳しい表情をする。だから君子は戒め慎み、人の前で場にそぐわない顔色を見せない。国君が車の横木に手をかけて敬礼すれば、大夫は車を下りて敬礼する。大夫が車の横木に手をかけて敬礼すれば、士は車を下りて敬礼する。

解説

喪や葬に関わる場面での慎みを、短い句を連ねて示した段である。墓の盛り土に登らない、葬列の綱を取る、喪の場で笑わない、柩を見たら歌わない、と続く規定は、いずれも死者と遺族の悲しみを乱さないための心遣いである。隣家に喪があれば臼つきの掛け声を控え、村に殯があれば歌わないという句は、喪が一家だけのものではなく、近隣がともに慎んで悲しみを分かち合うものだったことを伝えている。論語にも、孔子は喪のある人のそばで食事をするときは満腹まで食べず、哭した日には歌わなかったとある。葬列を送るのに近道をせず、ぬかるみも避けないのは、手間を惜しまないことで哀悼の誠を示すためである。そしてこの段は、喪には哀しみの顔、武装には犯しがたい顔と、場にふさわしい表情を求め、「色を人に失わず」とまとめる。表情もまた礼の一部だという考えである。近所で不幸があったときの振る舞いを考えるうえで、今も参考になる段である。

この章句が説くこと

礼記喪礼哀悼表情曲礼

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