礼記 / 曲礼上
侍食於長者,主人親饋,則拜而食。主人不親饋,則不拜而食。 共食不飽,共飯不澤手。 毋摶飯,毋放飯,毋流歠,毋咤食,毋齧骨,毋反魚肉,毋投與狗骨。毋固獲,毋揚飯。飯黍毋以箸。毋嚃羹,毋絮羹,毋刺齒,毋歠醢。客絮羹,主人辭不能亨;客歠醢,主人辭以窶。濡肉齒決,乾肉不齒決。毋嘬炙。卒食,客自前跪,徹飯齊以授相者,主人興辭於客,然後客坐。
新字:侍食於長者,主人親饋,則拝而食。主人不親饋,則不拝而食。 共食不飽,共飯不沢手。 毋摶飯,毋放飯,毋流歠,毋咤食,毋齧骨,毋反魚肉,毋投与狗骨。毋固獲,毋揚飯。飯黍毋以箸。毋嚃羹,毋絮羹,毋刺歯,毋歠醢。客絮羹,主人辞不能亨;客歠醢,主人辞以窶。濡肉歯決,乾肉不歯決。毋嘬炙。卒食,客自前跪,徹飯斉以授相者,主人興辞於客,然後客坐。
書き下し
長者に侍食するに、主人親(みずか)ら饋(き)すれば、則ち拝して食らう。主人親ら饋せざれば、則ち拝せずして食らう。 共に食らうには飽かず、共に飯するには手を沢(こす)らず。 飯を摶(まる)むること毋かれ、飯を放(ほしいまま)にすること毋かれ、流歠(りゅうせつ)すること毋かれ、咤食(たしょく)すること毋かれ、骨を齧(か)むこと毋かれ、魚肉を反すこと毋かれ、狗(いぬ)に骨を投げ与うること毋かれ。固(もっぱ)ら獲(と)ること毋かれ、飯を揚ぐること毋かれ。黍(きび)を飯するには箸を以てすること毋かれ。羹を嚃(とう)すること毋かれ、羹を絮(ととの)うること毋かれ、歯を刺すこと毋かれ、醢(かい)を歠(すす)ること毋かれ。客羹を絮うれば、主人は亨(に)ること能わずと辞し、客醢を歠れば、主人は窶(まず)しきを以て辞す。濡肉は歯にて決(た)ち、乾肉は歯にて決たず。炙(しゃ)を嘬(さい)すること毋かれ。食を卒(お)われば、客自ら前み跪き、飯斉(はんせい)を徹して以て相者(しょうしゃ)に授け、主人興ちて客に辞し、然る後に客坐す。
現代語訳
年長者のお相伴で食事をするとき、主人が自ら料理を運んでくれれば拝礼してから食べる。主人が自ら運ばないときは拝礼せずに食べる。 人と一緒に食べるときは満腹になるまで食べず、同じ器の飯を手で取って食べるときは手をこすり合わせない。 飯を丸めて大きな塊にしてはならず、取った飯を器に戻してはならず、汁をがぶがぶ流し込んではならず、舌を鳴らして食べてはならず、骨をかじってはならず、一度かじった魚や肉を器に戻してはならず、犬に骨を投げ与えてはならない。好きな物ばかりを取ろうとしてはならず、熱い飯をかき上げて冷ましてはならない。黍の飯を箸で食べてはならない。羹の中の菜を噛まずにすすり込んではならず、羹に自分で味を足してはならず、食事中に歯をつついてはならず、塩辛をすすってはならない。客が羹に味を足せば、主人は「うまく煮ることができず申しわけない」とわび、客が塩辛をすすれば、主人は「貧しくて味が足りず申しわけない」とわびる。柔らかく煮た肉は歯で噛み切ってよいが、干し肉は歯で噛み切らない。あぶり肉を一口にほおばってはならない。食べ終わったら、客は自分から進み出てひざまずき、飯と調味の器を下げて給仕役に渡し、主人が立ち上がって客にそれには及ばないと辞すると、そのあとで客は坐る。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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礼記・曲礼上凡そ食を進むるの礼は、殽(こう)を左にし胾(し)を右にし、食は人の左に居き、羹(あつもの)は人の右に居く。膾炙(かいしゃ)は外に処(お)き、醯醤(けいしょう)は内に処き、葱渫(そうせつ)は末に処き、酒漿は右に処く。脯脩(ほしゅう)を以て置く者は、朐(く)を左にし末を右にす。客若し降等なれば、食を執りて興(た)ちて辞し、主人興ちて客に辞し、然る後に客坐す。主人客を延(ひ)きて祭らしむ。食を祭るには、先に進むる所を祭る。殽の序、徧(あまね)くこれを祭る。三飯して、主人客を延きて胾を食らわしめ、然る後に殽を辯(あまね)くす。主人未だ辯くせざれば、客は口を虚しくせず。
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礼記・曲礼上長者に侍飲するに、酒進めば則ち起ち、尊所に拝して受く。長者辞すれば、少者は席に反りて飲む。長者挙げて未だ釂(つく)さざれば、少者は敢えて飲まず。 長者賜えば、少者・賤者は敢えて辞せず。果を君前に賜わるに、其の核(さね)有る者は其の核を懐(ふところ)にす。君に御食するに、君餘りを賜えば、器の溉(すす)ぐ者は写さず、其の余は皆写す。
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礼記・少儀燕(くつろ)ぎて君子に侍食すれば、則ち先ず飯して後に已む。放飯すること毋く、流歠(りゅうせつ)すること毋く、小飯して之を亟(すみ)やかにし、数(しばしば)噍(か)みて口容を為すこと毋かれ。客自ら徹し、辞すれば焉ち止む。客の爵は左に居き、其の飲めるは右に居く。介爵・酢爵(さくしゃく)・僎爵(せんしゃく)は皆右に居く。濡魚を羞むる者は尾を進む。冬は腴(ゆ)を右にし、夏は鰭(き)を右にす。膴(ぶ)を祭る。凡そ斉(せい)は、之を執るに右を以てし、之を居くに左に於いてす。幣を賛くるは左よりし、辞を詔(つ)ぐるは右よりす。尸に酌むの僕は、君の僕の如くす。其の車に在るときは則ち左に轡を執り右に爵を受け、左右の軌范(きはん)を祭りて乃ち飲む。凡そ羞に俎有る者は、則ち俎の内に祭る。君子は圂腴(こんゆ)を食わず。小子は走りて趨らず。爵を挙ぐれば則ち坐して祭り立ちて飲む。凡そ洗には必ず盥(てあら)う。牛羊の肺は、離して心を提(た)たず。凡そ羞に湆(きゅう)有る者は、斉を以てせず。君子の為に葱薤(そうかい)を択べば、則ち其の本末を絶つ。首を羞むる者は、喙(かい)を進めて耳を祭る。尊は酌む者の左を以て上尊と為す。壺を尊(お)く者は其の鼻を面にす。飲酒する者・禨(き)する者・醮(しょう)する者は、折俎有れば坐せず。未だ爵を歩(めぐ)らさざれば、羞を嘗めず。牛と羊と魚との腥(せい)は、聶(しょう)して之を切りて膾(かい)と為す。麋鹿を菹(そ)と為し、野豕を軒(けん)と為し、皆聶して切らず。麇(きん)を辟雞(へきけい)と為し、兎を宛脾(えんぴ)と為し、皆聶して之を切る。葱若しくは薤を切りて、之を醯(けい)に実(み)てて以て之を柔らぐ。其の折俎有る者は、祭肺を取りて、之を反し、坐せず。燔(はん)も亦之の如くす。尸は則ち坐す。
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礼記・玉藻侍坐すれば、則ち必ず席を退く。退かざれば、則ち必ず引きて君の党を去る。席に登るに前由(よ)りせず、席を躐(ふ)むと為す。徒坐には席を尽くさざること尺、書を読み、食すれば、則ち斉(ひと)しくし、豆は席を去ること尺。若し之に食を賜いて君之を客とすれば、則ち之に祭を命じ、然る後に祭る。先ず飯して辯(あまね)く羞を嘗め、飲みて俟(ま)つ。若し羞を嘗むる者有れば、則ち君の食するを俟ちて、然る後に食し、飯して、飲みて俟つ。君之に羞を命ずれば、近き者を羞め、之に品嘗を命じ、然る後に唯欲する所のままにす。凡そ遠食を嘗むるには、必ず近食に順う。君未だ手を覆さざれば、敢えて飧(そん)せず。君既に食すれば、又飯飧す。飯飧する者は、三飯なり。君既に徹すれば、飯と醤とを執りて乃ち出で、従者に授く。凡そ侑食には、食を尽くさず。人に食するときは飽かず。唯水漿は祭らず、若し祭れば已(はなは)だ偝卑(はいひ)と為す。君若し之に爵を賜えば、則ち席を越えて再拝稽首して受け、席に登りて之を祭り、飲みて爵を卒(お)えて君の爵を卒うるを俟ち、然る後に虚爵を授く。君子の酒を飲むや、一爵を受けて色灑如(しゃじょ)たり、二爵にして言言斯(ぎんぎんし)たり、礼は三爵に已みて油油(ゆうゆう)として以て退く。退けば則ち坐して屨を取り、隠辟(いんぺき)して而る後に屨く。左に坐しては右を納れ、右に坐しては左を納る。凡そ尊は必ず玄酒を上にす。唯君のみ尊に面す。唯野人を饗するときは皆酒なり。大夫は側尊に棜(よ)を用い、士は側尊に禁を用う。
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礼記・曲礼上君子に侍坐するに、君子欠伸し、杖屨(じょうく)を撰(と)り、日の蚤莫(そうぼ)を視れば、侍坐する者は出でんことを請う。君子に侍坐するに、君子端を更めて問えば、則ち起ちて対う。君子に侍坐するに、若し告ぐる者有りて曰く、「少しく間(かん)あらば、願わくは復(もう)すこと有らん」と。則ち左右に屏(しりぞ)きて待つ。側聴すること毋かれ、噭応(きょうおう)すること毋かれ、淫視すること毋かれ、怠荒すること毋かれ。遊ぶに倨(おご)ること毋かれ、立つに跛(かたよ)ること毋かれ、坐するに箕(き)すること毋かれ、寝ぬるに伏すること毋かれ。髪を斂(おさ)めて髢(てい)すること毋かれ、冠して免(ぬ)ぐこと毋かれ、労して袒(はだぬ)ぐこと毋かれ、暑くして裳を褰(かか)ぐること毋かれ。
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礼記・曲礼上餕餘(しゅんよ)は祭らず。父は子を祭らず、夫は妻を祭らず。 長者に御同(ぎょどう)するには、弐(じ)すと雖も辞せず、偶坐には辞せず。 羹の菜有る者は梜(きょう)を用い、其の菜無き者は梜を用いず。 天子の為に瓜を削る者はこれを副(ふく)し、巾(おお)うに絺(ち)を以てす。国君の為にする者はこれを華(か)し、巾うに綌(げき)を以てす。大夫の為にはこれを累(るい)し、士はこれを疐(てい)し、庶人はこれを齕(かじ)る。
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