名将言行録 / 『名将言行録』直江兼續 評・金銭の軽蔑をめぐる評
傲岸不遜な獨眼龍を、一本參らせた面白い話である。しかし、金錢は軍陣には必要缺くべからざるものだ。それを輕蔑するとは何事ぞと、直江を非難した文章を讀んだ事がある。
新字:傲岸不遜な独眼竜を、一本参らせた面白い話である。しかし、金銭は軍陣には必要欠くべからざるものだ。それを軽蔑するとは何事ぞと、直江を非難した文章を読んだ事がある。
書き下し
傲岸不遜な獨眼龍を、一本參らせた面白い話である。しかし、金錢は軍陣には必要缺くべからざるものだ。それを輕蔑するとは何事ぞと、直江を非難した文章を讀んだ事がある。
現代語訳
傲慢で不遜な独眼竜を、一本取ってやり込めた面白い話である。しかし、金銭は軍陣には欠くことのできない必要なものだ。それを軽蔑するとは何事かと、直江を非難した文章を読んだことがある。
解説
菊池寛は評で、政宗をやり込めた話を面白がりながら、金銭は軍陣に欠かせないとして、兼続を非難する文章も読んだと述べます。痛快さと現実感覚を並べて示す、短い評です。戦国の軍が兵糧や武具を調える資金に支えられていたのはたしかで、金を卑しむ態度が組織運営の観点から批判されうるという指摘には、現代にも通じる筋があります。理念や矜持を語る姿勢と、予算や収益をおろそかにしない姿勢は、両立させるべきものです。なお、これは1943年の作家の見方であり、兼続への評価として定まったものではありません。

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金銭軍資金独眼竜現実感覚菊池寛の評矜持
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