古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

名将言行録 / 『名将言行録』太田資長 評・下剋上の世

上杉定正は、勢力のある家老の道灌を暗殺して、家を滅したわけだ。然し當時は到る處、下剋上の世の中で、越後の上杉謙信、尾張の織田信長、越前の朝倉善景、美濃の齋藤道三、近江の淺井亮政など、みんな家老が、主家を滅して自立したのである。して見ると、暗愚な定正が、文武兼備の道灌を恐がつて、之を戮したのも、止むを得ないことかも知れないのである。

新字:上杉定正は、勢力のある家老の道灌を暗殺して、家を滅したわけだ。然し当時は到る処、下剋上の世の中で、越後の上杉謙信、尾張の織田信長、越前の朝倉善景、美濃の斎藤道三、近江の浅井亮政など、みんな家老が、主家を滅して自立したのである。して見ると、暗愚な定正が、文武兼備の道灌を恐がつて、之を戮したのも、止むを得ないことかも知れないのである。

書き下し

上杉定正は、勢力のある家老の道灌を暗殺して、家を滅したわけだ。然し當時は到る處、下剋上の世の中で、越後の上杉謙信、尾張の織田信長、越前の朝倉善景、美濃の齋藤道三、近江の淺井亮政など、みんな家老が、主家を滅して自立したのである。して見ると、暗愚な定正が、文武兼備の道灌を恐がつて、之を戮したのも、止むを得ないことかも知れないのである。

現代語訳

上杉定正は、勢力のある家老の道灌を暗殺して、家を滅ぼしたわけだ。しかし当時は至る所、下剋上の世の中で、越後の上杉謙信、尾張の織田信長、越前の朝倉善景、美濃の斎藤道三、近江の浅井亮政など、みんな家老が、主家を滅ぼして自立したのである。してみると、暗愚な定正が、文武兼備の道灌を怖がって、これを戮したのも、やむを得ないことかも知れないのである。

解説

菊池寛は評で、定正が家老の道灌を殺して家を傾けたことを、下剋上の時代の文脈で見直します。越後の上杉謙信、尾張の織田信長、越前の朝倉、美濃の斎藤道三、近江の浅井亮政など、家老が主家を滅ぼして自立した例を並べ、そうであれば、文武兼備の道灌を怖がった定正が殺したのも、やむを得なかったかもしれないと述べます。列挙の人名には、実際には主家との関係が単純でない例も含まれ、菊池の大づかみな見方です。有能な部下の力が主君を脅かすという緊張関係は、現代の組織でも起こり得ます。信頼と警戒のバランスをどう保つかを考える材料になります。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る

この章句が説くこと

菊池寛の評下剋上定正道灌主従信頼と警戒

関連する章句

本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る