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君子訓 / 巻之中

一堯舜の聖といへども、一人にて衆事を治むること能はず。賢者を選みて職を分ち、是に任じて疑はず。賢者職にありといへども、一時に功を立てず、久しく其職を勤め、其事に熟して後、其功成就す。政を爲すに、小利を見て速ならんことを好むは、聖人の誡なり。

新字:一堯舜の聖といへども、一人にて衆事を治むること能はず。賢者を選みて職を分ち、是に任じて疑はず。賢者職にありといへども、一時に功を立てず、久しく其職を勤め、其事に熟して後、其功成就す。政を為すに、小利を見て速ならんことを好むは、聖人の誡なり。

書き下し

一堯舜の聖といへども、一人にて衆事を治むること能はず。賢者を選みて職を分ち、是に任じて疑はず。賢者職にありといへども、一時に功を立てず、久しく其職を勤め、其事に熟して後、其功成就す。政を為すに、小利を見て速ならんことを好むは、聖人の誡なり。

現代語訳

堯や舜のような聖人でも、一人で多くの事を治めることはできません。賢者を選んで職を分け、これに任せて疑いません。賢者が職にあっても、一時に功を立てるのではなく、長くその職を勤め、その事に熟達してから、その功が成就します。政治をするのに、小さな利益を見て早く成果を上げようと好むのは、聖人の戒めるところです。

解説

聖人でさえ一人では治められないので、賢者に職を分けて任せ、疑わないことが大切だと説いています。しかも成果は一時には出ず、長く勤めて熟達してから現れるので、小さな利に目を奪われて速さを求めるな、と言います。論語子路篇の「速やかならんことを欲すること無かれ、小利を見ること無かれ」を踏まえた言葉です。人に任せたらすぐ結果を求めず、じっくり育つのを待つという姿勢は、今の人材育成や権限委譲でも忘れられがちな大切な点です。

この章句が説くこと

任用賢者信頼成果忍耐

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