導師導古典を学びたいすべての人に

甲陽軍鑑 / 品第十二

よき大將は軍の時悉く皆我ざいをもつて勝利を得給ひても、主の手抦とはなくして、近習·小姓·小殿原·若黨·小人·中間衆迄も譽たて、皆あれらが働きをもつて合に勝たりト教育。故に如此の大時の上には大名小名点〓之若蠶小武邊おぼへの者多く出る本ニハ「さを以てや、動いて、いは得云者なり、然は慎之公宜ふは將將の為に絶てももは多若夢·中間小者は尊近合廿人衆·小人·中間衆に一きだ て入念を入給ひ、

新字:よき大将は軍の時悉く皆我ざいをもつて勝利を得給ひても、主の手抦とはなくして、近習·小姓·小殿原·若党·小人·中間衆迄も誉たて、皆あれらが働きをもつて合に勝たりト教育。故に如此の大時の上には大名小名点〓之若蠶小武辺おぼへの者多く出る本ニハ「さを以てや、動いて、いは得云者なり、然は慎之公宜ふは将将の為に絶てももは多若夢·中間小者は尊近合廿人衆·小人·中間衆に一きだ て入念を入給ひ、

書き下し

よき大将は軍の時悉く皆我ざいをもつて勝利を得給ひても、主の手抦とはなくして、近習·小姓·小殿原·若党·小人·中間衆迄も誉たて、皆あれらが働きをもつて合に勝たりト教育。故に如此の大時の上には大名小名点〓之若蠶小武辺おぼへの者多く出る本ニハ「さを以てや、動いて、いは得云者なり、然は慎之公宜ふは将将の為に絶てももは多若夢·中間小者は尊近合廿人衆·小人·中間衆に一きだ て入念を入給ひ、

現代語訳

よい大将は、軍の時にことごとく自分の采配で勝利を得られても、主の手柄とはせずに、近習・小姓・小殿原・若党・小人・中間衆までも褒め立て、「皆あれらの働きで合戦に勝った」と言われる。(「教育。故に如此の大時の上には大名小名点〓之若蠶…本ニハ「さを以てや、動いて、いは得云者なり、然は慎之公宜ふは將將の為に絶てももは多若夢·中間小者は尊近合」の部分は、頭註の混入もあって底本ここ判読しがたい)二十人衆・小人・中間衆に一段と念を入れられた。

解説

前の段の悪い大将と正反対に、よい大将は自分の采配で勝っても手柄を下に配り、近習や若党はもちろん小人・中間といった最下層まで名指しで褒める。底本はこの先が頭註の混入で読みにくいが、二十人衆や小人・中間に特に念を入れたことは読み取れる。勝ちの功を下に返すことで、次の戦いで命を懸ける者が育つ。称賛は上に集めるものではなく、下へ流すものである。褒め方ひとつで、組織の底の熱が変わる。

この章句が説くこと

称賛手柄大将部下采配人材

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る