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国語 / 晋語八

趙文子與叔向遊於九原,曰:「死者若可作也,吾誰與歸?」叔向曰:「其陽子乎!」文子曰:「夫陽子行廉直於晉國,不免其身,其知不足稱也。」叔向曰:「其舅犯乎!」文子曰:「夫舅犯見利而不顧其君,其仁不足稱也。其隨武子乎!納諫不忘其師,言身不失其友,事君不援而進,不阿而退。」

新字:趙文子与叔向遊於九原,曰:「死者若可作也,吾誰与帰?」叔向曰:「其陽子乎!」文子曰:「夫陽子行廉直於晋国,不免其身,其知不足称也。」叔向曰:「其舅犯乎!」文子曰:「夫舅犯見利而不顧其君,其仁不足称也。其随武子乎!納諫不忘其師,言身不失其友,事君不援而進,不阿而退。」

書き下し

趙文子叔向と九原(きゅうげん)に遊びて、曰く、「死者若し作(おこ)すべくんば、吾誰と与(とも)にか帰せん」と。叔向曰く、「其れ陽子(ようし)か」と。文子曰く、「夫れ陽子は廉直を晋国に行いて、其の身を免れず。其の知称するに足らざるなり」と。叔向曰く、「其れ舅犯(きゅうはん)か」と。文子曰く、「夫れ舅犯は利を見て其の君を顧みず。其の仁称するに足らざるなり。其れ随武子(ずいぶし)か。諫を納れて其の師を忘れず、身を言いて其の友を失わず、君に事えて援(ひ)かずして進み、阿(おもね)らずして退く」と。

現代語訳

趙文子(趙武)は叔向とともに九原(晋の卿大夫の墓所)を歩いて言った。「死んだ人をもし生き返らせることができるとしたら、わたしは誰とともに帰りたいだろうか。」叔向は言った。「陽子(陽処父)でしょうか。」趙文子は言った。「陽子は晋の国で清廉と剛直を貫いたが、わが身を守ることができなかった。その知恵は称えるに足りない。」叔向は言った。「舅犯(狐偃、文公の母方の叔父)でしょうか。」趙文子は言った。「舅犯は利を見ると主君を顧みなかった。その仁は称えるに足りない。随武子(士会)であろうか。諫めを受け入れても師を忘れず、自分のことを語っても友を失わず、君に仕えては人の引き立てによらずに進み、おもねらずに退いた。」

解説

趙文子が叔向と晋の卿大夫の墓地九原を歩き、死者を生き返らせられるなら誰と帰りたいかと問うた章である。叔向が挙げた陽処父は、清廉剛直を貫いたが人の恨みを買って殺された。趙文子はそれを、身を全うできなかった知の不足とした。次の舅犯(狐偃)は文公の亡命を支えた功臣だが、利を見て君を顧みなかったとして、その仁を認めない。趙文子が選んだのは随武子(士会)で、諫めを受けても師を忘れず、自分を語っても友を失わず、引き立てに頼らず進み、おもねらずに退いた人物である。『礼記』檀弓下にも同じ問答が見える。正しさだけでも功績だけでもなく、人との関係を損なわず、進退に濁りがない人を、趙文子は最も慕ったのである。一緒に働きたい人を選ぶとき、その人の進み方と退き方を見ることの大切さを教えている。

この章句が説くこと

国語晋語進退人物随武子

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