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国語 / 晋語四

文公之出也,豎頭須,守藏者也,不從。公入,乃求見,公辭焉以沐。謂謁者曰:「沐則心覆,心覆則圖反,宜吾不得見也。從者為羈紲之僕,居者為社稷之守,何必罪居者!國君而讎匹夫,懼者從矣。」謁者以告,公遽見之。

新字:文公之出也,豎頭須,守蔵者也,不従。公入,乃求見,公辞焉以沐。謂謁者曰:「沐則心覆,心覆則図反,宜吾不得見也。従者為羈紲之僕,居者為社稷之守,何必罪居者!国君而讎匹夫,懼者従矣。」謁者以告,公遽見之。

書き下し

文公の出づるや、豎(じゅ)頭須(とうしゅ)は、蔵を守る者なり、従わず。公入る、乃ち見えんことを求む。公辞するに沐(もく)を以てす。謁者に謂いて曰く、「沐すれば則ち心覆(くつがえ)る、心覆れば則ち図(はかりごと)反す、宜なり吾の見ゆるを得ざるや。従者は羈紲(きせつ)の僕たり、居者は社稷の守たり、何ぞ必ずしも居者を罪せん。国君にして匹夫を讎(あだ)とせば、懼るる者従わん」と。謁者以て告ぐ。公遽(にわ)かに之に見ゆ。

現代語訳

文公が国を出て亡命したとき、小姓の頭須は蔵の番をする者で、文公には従わなかった。文公が帰国すると、頭須は面会を求めた。文公は髪を洗っているからと言って断らせた。頭須は取り次ぎの者に言った。「髪を洗うときは頭を下げるので心がひっくり返り、心がひっくり返れば考えもあべこべになるといいます。わたしがお目にかかれないのももっともです。けれども、君に従った者は馬の手綱や犬の引き綱を持つ下僕の役目を果たし、国に残った者は国家の留守を守る役目を果たしたのです。どうして残った者を罪とする必要がありましょう。一国の君主が一人の庶民を仇とするなら、恐れを抱く者が次々に出てくるでしょう。」取り次ぎの者がこれを伝えると、文公は急いで頭須に会った。

解説

帰国した文公のもとに、亡命に従わず国に残っていた小姓の頭須が面会を求める場面である。文公は髪を洗っていると言って断った。頭須は、髪を洗うと頭が下がって心が逆さまになるから考えもあべこべになるのだろうと皮肉りつつ、従った者は主君の身の回りを、残った者は国の留守を守ったのであって、どちらも務めを果たしたのだと説いた。韋昭注も、沐すると頭が下がるので心が反ると言うのだと解いている。『春秋左氏伝』僖公二十四年にもほぼ同じ言葉が見え、そこでは頭須は蔵の財を持ち出して文公の帰国のために使い果たしたと記されている。文公がすぐに会ったのは、国に残った多くの者が、新しい君に罰せられるのではと恐れていることに気づいたからである。組織の長が代わるとき、新しい長に付き従った者だけを重んじれば、残った者の心は離れる。一人をどう遇するかは、多くの者への合図になる。

この章句が説くこと

国語晋語度量和解君主

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