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国語 / 魯語下

季康子問於公父文伯之母曰:「主亦有以語肥也。」對曰:「吾能老而已,何以語子。」康子曰:「雖然,肥願有聞於主。」對曰:「吾聞之先姑曰:『君子能勞,後世有繼。』」子夏聞之,曰:「善哉!商聞之曰:『古之嫁者,不及舅、姑,謂之不幸。』夫婦,學於舅、姑者也。」

新字:季康子問於公父文伯之母曰:「主亦有以語肥也。」対曰:「吾能老而已,何以語子。」康子曰:「雖然,肥願有聞於主。」対曰:「吾聞之先姑曰:『君子能労,後世有継。』」子夏聞之,曰:「善哉!商聞之曰:『古之嫁者,不及舅、姑,謂之不幸。』夫婦,学於舅、姑者也。」

書き下し

季康子(きこうし)、公父文伯(こうほぶんぱく)の母に問いて曰く、「主も亦た以て肥に語ること有らんか」と。対えて曰く、「吾能く老ゆるのみ。何を以て子に語らん」と。康子曰く、「然りと雖も、肥願わくは主に聞くこと有らん」と。対えて曰く、「吾之を先姑(せんこ)に聞けり、曰く、『君子能く労すれば、後世継ぐこと有り』と」と。子夏之を聞きて曰く、「善いかな。商之を聞けり、曰く、『古の嫁する者、舅・姑(きゅう・こ)に及ばざる、之を不幸と謂う』と。夫婦は、舅・姑に学ぶ者なり」と。

現代語訳

季康子(魯の執政、名は肥)が公父文伯の母(季康子の大叔母、敬姜)に尋ねた。「あなたさまにも、私に何かお言葉がありましょうか」。母は答えた。「私はただ年をとることができただけです。何をあなたに申せましょう」。康子は言った。「そうおっしゃっても、私はぜひあなたさまから何か伺いたいのです」。母は答えた。「私は亡き姑からこう聞いております。『君子がよく苦労して励めば、後の世に跡を継ぐ者がある』と」。子夏(孔子の弟子)はこれを聞いて言った。「よいことだ。私はこう聞いている。『昔、嫁ぐ者が舅・姑の存命中に間に合わなかったら、それを不幸といった』と。夫婦というものは、舅や姑から学ぶものなのだ」。

解説

季康子が、季氏一族の長老格の婦人である公父文伯の母、すなわち敬姜に教えを請うた短い章である。敬姜は「年をとっただけの者だ」と謙遜して一度は断り、重ねて請われると、自分の言葉ではなく亡き姑から聞いた「君子能く労すれば、後世継ぐこと有り」を伝えた。苦労をいとわずに励む家には、後を継ぐ者が育つという意味で、のちの「論労逸」の章で彼女が息子に説く考えと通じている。子夏はこれを聞いて、嫁いだ者が舅・姑から学べなければ不幸だという古語を引き、夫婦は親の世代から家の教えを受け継ぐものだと評した。敬姜が自分の知恵を誇らず、家に伝わる言葉として渡したところに、この話の味わいがある。教えは自分の手柄にせず、受け継いだものとして次へ渡すとき、いちばん重みを持つ。

この章句が説くこと

国語魯語労家継承

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