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古語拾遺 / 宝祚の隆え

於是二神誅伏諸不順鬼神等。果以復命。于時天祖天照大神高皇產靈尊乃相語曰。夫葦原瑞穗國者。吾子孫可王之地。皇孫就而治焉。寶祚之隆當與天壤无窮矣。

新字:於是二神誅伏諸不順鬼神等。果以復命。于時天祖天照大神高皇産霊尊乃相語曰。夫葦原瑞穂国者。吾子孫可王之地。皇孫就而治焉。宝祚之隆当与天壤无窮矣。

書き下し

是に於て二神、諸の順わざる鬼神等を誅伏し、果たして以て復命す。時に天祖天照大神・高皇産霊尊、乃ち相語りて曰く、「夫れ葦原の瑞穂国は、吾が子孫の王たるべき地なり。皇孫就きて治めよ。宝祚の隆えまさむこと、当に天壌と窮まり無かるべし」と。

現代語訳

こうして二神は、従わない荒ぶる神々を討ち伏せ、ついに復命した。そこで天祖の天照大神と高皇産霊尊は語り合って言った。「そもそも葦原の瑞穂の国は、わが子孫が王となるべき地である。皇孫よ、行って治めよ。皇位の栄えは、天地とともに窮まることがないであろう」と。

解説

平定の報告を受けて、降臨の命が下される。末尾の一句が、いわゆる天壌無窮の神勅である。日本書紀では神代下の一書に天照大神の勅として見え、この書では天照大神と高皇産霊尊が相語る言葉として置かれている。近代にはこの句が国体の根拠として繰り返し掲げられ、教育勅語の解釈でも中心に据えられた。そうした後世の重みをいったん外して読むと、ここにあるのは、平定が済んだことを確かめてから、治める者に地を委ねる、という手順である。先に地ならしの報告を受け、次に委任の言葉を与え、そのうえで永続を願う。任せる側が、任せる理由と範囲をはっきり言葉にしている点は、今の権限委譲にもそのまま通じる。

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