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啓発録 / 勉學

詩文ヤ讀書ハ右學問ノ具ト申スモノニテ刀ノ欄鞘ヤ二階ノ階梯ノ如キモノナリ詩文讀書ヲ學問ト心得候ハ恰モ欄鞘ヲ刀ト心得階梯ヲ二階ト存候ト同ジ淺鹵粗鹵ノ至リニ候

新字:詩文ヤ読書ハ右学問ノ具ト申スモノニテ刀ノ欄鞘ヤ二階ノ階梯ノ如キモノナリ詩文読書ヲ学問ト心得候ハ恰モ欄鞘ヲ刀ト心得階梯ヲ二階ト存候ト同ジ浅鹵粗鹵ノ至リニ候

書き下し

詩文や読書は右学問の具と申すものにて、刀の欄鞘や二階の階梯の如きものなり。詩文読書を学問と心得候は、恰も欄鞘を刀と心得、階梯を二階と存候と同じ、浅鹵粗鹵の至りに候。

現代語訳

詩文や読書は、右に述べた学問の道具というべきもので、刀の鞘のようなものや、二階へ上る階段のようなものです。詩文や読書を学問と心得るのは、ちょうど鞘を刀と心得、階段を二階と思うのと同じで、浅はかで粗雑なことの極みです。

解説

前の句の続きで、詩文や読書は学問の「具」、つまり道具にすぎないと断じています。刀の付属品や二階へ上る階段にたとえ、それを刀や二階そのものと思うのは浅はかで粗雑だと言い切ります。階段を二階と取り違えたらそこで止まってしまう、という絵が目に浮かぶ比喩です。左内は読書そのものを否定しているのではなく、読むことが目的になることを戒めています。現代では、資格や読書量、会議の出席数のように、手段が目標にすり替わる場面が多くあります。管理職は、部下が何冊読んだかよりも、読んで何が変わったかを聞くほうがよいでしょう。

この章句が説くこと

勉学学問読書手段と目的詩文啓発録

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