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韓非子 / 制分第五十五

務不與事相得,則法安得無失,而刑安得無煩?是以賞罰擾亂,邦道差誤,刑賞之不分白也。

新字:務不与事相得,則法安得無失,而刑安得無煩?是以賞罰擾乱,邦道差誤,刑賞之不分白也。

書き下し

務め事と相得ざれば、則ち法安んぞ失無きを得ん、而して刑安んぞ煩はしき無きを得ん。是を以て賞罰擾亂し、邦道差誤するは、刑賞の分白ならざればなり。

現代語訳

務めと実際の事柄がかみ合わなければ、法はどうして誤らずにいられようか。刑はどうして煩雑にならずにいられようか。こうして賞罰が乱れ、国の道が狂うのは、刑と賞の区分が明白でないからである。

解説

制分篇の、そして『韓非子』全五十五篇の最後に置かれた一段です。職務と実際の働きがかみ合わなければ、法は誤り、刑は煩雑になる。賞罰が乱れて国の道が狂うのは、刑と賞の区分が明白でないからだ、と韓非は結びます。形名参同、すなわち言葉や職分と実績を突き合わせることと、信賞必罰の区分をはっきりさせることという、韓非子全体を貫く二つの柱が、最後にもう一度確認されている形です。今の組織でも、役割の定義と実際の仕事がずれ、評価の区分があいまいなまま放置されれば、やがて誰も評価を信じなくなります。基本に立ち返らせてくれる結びの言葉です。

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