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韓非子 / 六反第四十六

布衣循私利而譽之,世主聽虚聲而禮之,禮之所在,利必加焉。百姓循私害而訾之,世主壅於俗而賤之,賤之所在,害必加焉。故名賞在乎私惡當罪之民,而毁害在乎公善宜賞之士,索國之富強,不可得也。古者有諺曰:

新字:布衣循私利而誉之,世主聴虚声而礼之,礼之所在,利必加焉。百姓循私害而訾之,世主壅於俗而賤之,賤之所在,害必加焉。故名賞在乎私悪当罪之民,而毀害在乎公善宜賞之士,索国之富強,不可得也。古者有諺曰:

書き下し

布衣は私利に循ひて之を誉め、世主は虚声を聴きて之を礼す。礼の在る所、利必ず加はる。百姓は私害に循ひて之を訾り、世主は俗に壅がれて之を賤しむ。賤の在る所、害必ず加はる。故に名賞は私悪当罪の民に在り、而して毀害は公善宜賞の士に在り、国の富強を索むるも、得べからざるなり。古者諺有りて曰く、

現代語訳

庶民は自分の私利に従って(無益な民を)誉め、世の君主はその虚しい評判を聞いて礼遇する。礼遇するところには、必ず利益が加えられる。人々は自分の私的な害に従って(有益な民を)そしり、世の君主は世俗の声に塞がれてそれを賤しむ。賤しむところには、必ず害が加えられる。だから名誉と賞は、私的に悪をなし罪に当たる民に与えられ、非難と害は、公のために善をなし賞に値する士に加えられる。これで国の富強を求めても、得られるはずがない。昔のことわざにこう言う。

解説

六反篇で、評価の逆転がどのようにして生まれるかを説明する一節です。庶民は自分に都合のよい者を誉め、君主はその評判を鵜呑みにして礼遇し、利益を与える。逆に、自分に害をもたらす者は庶民にそしられ、君主は世俗の声に惑わされてその者を賤しめる。例えば姦人を告発する者は、告発される側から見れば害をもたらす者なので、悪評が立ちやすいのです。こうして、名誉と賞は罪ある者に、非難と害は賞に値する者に向かうことになります。組織でも、周囲に甘い人は人気を集め、不正を正す人や厳しく指導する人は煙たがられがちです。評判をそのまま評価に使えば、組織は損をする人を罰し、得をする人に報いてしまいます。

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