韓非子 / 外儲說左下第三十三
君何患焉?」韓宣子曰:「吾馬菽粟多矣,甚臞,何也?寡人患之。」周市對曰:「使騶盡粟以食,雖無肥,不可得也。
新字:君何患焉?」韓宣子曰:「吾馬菽粟多矣,甚臞,何也?寡人患之。」周市対曰:「使騶尽粟以食,雖無肥,不可得也。
書き下し
君何ぞ焉を患へん。」韓の宣子曰く、「吾が馬菽粟多きに、甚だ臞せたるは、何ぞや。寡人之を患ふ。」周市対へて曰く、「騶をして尽く粟を以て食はしめば、肥ゆること無からんと雖も、得べからざるなり。
現代語訳
(管仲は言った。側近の頼みを聞かず、能力に応じて禄を与え、功績を記録して官職を与えれば、官職をねだる者などいなくなります。)君は何を心配なさることがありましょう。」韓の宣子が言った。「私の馬には豆や粟をたくさん与えているのに、ひどく痩せているのはなぜか。私はそれが気がかりだ。」周市は答えた。「馬番に粟をすべて食べさせるようにすれば、太らせまいとしても、そうはいかないでしょう。
解説
経四の結び「桓公の官を索むるを憂ふると宣主の馬を臞するを患ふ」の説話です。前半は、官職を求める者が多いと悩む桓公に対し、管仲が、側近の口利きを退けて能力と功績で官職を与えれば悩みは消えると答えた話の結びです。後半の韓の宣子の話では、飼料を十分に与えているのに馬が痩せる理由を問われた周市が、馬番に飼料を全部与えさせれば必ず太ると答えます。実際には馬番が飼料を横流ししているのであり、続く部分では、名目上の支給と実際の分配が違えば、いくら与えても下まで届かないと説かれます。予算や手当を増やしても現場が潤わないとき、途中の誰がそれを取っているのかを確かめるべきだという教訓です。
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