韓非子 / 用人第二十七
人臣皆宜其能,勝其官,輕其任,而莫懷餘力於心,莫負兼官之責於君。
新字:人臣皆宜其能,勝其官,軽其任,而莫懐余力於心,莫負兼官之責於君。
書き下し
人臣皆其の能に宜しく、其の官に勝へ、其の任を軽しとして、余力を心に懐く莫く、兼官の責を君に負ふ莫し。
現代語訳
臣下はみな、その能力にふさわしい職につき、その官職をこなしきり、その任務を軽々と果たして、心に余力を隠し持つこともなく、君主に対して複数の官職を兼ねる責任を負うこともない。
解説
用人篇の理想の人事を描いた一句です。直前で韓非は、明主の国では臣下が職分を越えず、各自が一つの官に専念すると述べています。能力に合った職につき、その職を十分にこなし、任務を軽く感じるほど適材適所であれば、余力を隠して怠けることもなく、兼務の重荷を背負うこともありません。一人に一つの職を与え、職分をはっきりさせることは、韓非が繰り返し説く人事の原則です。兼務は責任の所在を曖昧にし、争いの種にもなるからです。今の職場でも、有能な人に仕事を集中させて兼務だらけにすると、責任の所在がぼやけ、本人も疲弊します。職務の範囲を明確にし、能力に合った量を任せることが大切です。
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