韓非子 / 主道第五
有言者自爲名,有事者自爲形,形名參同,君乃無事焉,歸之其情。
新字:有言者自為名,有事者自為形,形名参同,君乃無事焉,帰之其情。
書き下し
言有る者は自ら名を為し、事有る者は自ら形を為す。形名参同すれば、君乃ち事無し、之を其の情に帰す。
現代語訳
進言する者は自ら名目(言葉)を立て、事に当たる者は自ら実績(形)を示す。その実績と名目を突き合わせて一致していれば、君主は自ら何もする必要がなく、すべてを実情に委ねればよい。
解説
韓非の術の中心である「形名参同」を簡潔に示した句です。臣下が自分で言った言葉が「名」、実際に上げた成果が「形」で、君主はこの二つを突き合わせて一致すれば賞し、ずれれば罰します。君主が自分で判断を下すのではなく、臣下自身の言葉を物差しにするので、君主は何もしなくても臣下を正しく評価できる、という仕組みです。二柄篇では、言葉より成果が大きすぎても罰するとまで述べられます。今の組織でいえば、本人が立てた目標と実際の成果を照らし合わせる目標管理に近い考え方です。評価の基準を本人の約束に置けば、上司の好みで評価がぶれることを防げます。
関連する章句
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『韓非子』南面第十八信ぜざる者に罪有り、事に功有る者を賞せざれば、則ち群臣敢えて言を飾りて以て主を惽くらます莫し。主道は、人臣をして、前言後に復せず、後言前に復せざらしめ、事に功有りと雖も、必ず其の罪に伏せしむ。之を任下と謂う。
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『韓非子』二柄第七人主将に姦を禁ぜんと欲せんとすれば、則ち刑名を審合せよとは、言と事となり。
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『韓非子』主道第五功其の事に當り、事其の言に當れば、則ち賞し、功其の事に當らず、事其の言に當らざれば、則ち誅す。
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『韓非子』二柄第七功、其の事に當り、事、其の言に當れば、則ち賞し、功、其の事に當らず、事、其の言に當らざれば、則ち罰す。
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『韓非子』六反第四十六其の言を聴きて其の当を求め、其の身に任じて其の功を責むれば、則ち無術不肖の者窮す。夫れ力士を得んと欲して其の自ら言ふを聴けば、庸人と烏獲と雖も別つべからざるなり。之に授くるに鼎爼を以てすれば、則ち罷健效る。故に官職なる者は、能士の鼎爼なり、之に任ずるに事を以てして愚智分かる。
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『韓非子』制分第五十五務め事と相得ざれば、則ち法安んぞ失無きを得ん、而して刑安んぞ煩はしき無きを得ん。是を以て賞罰擾亂し、邦道差誤するは、刑賞の分白ならざればなり。