太上感応篇 / 悪行・算尽くれば則ち死し、殃ひ子孫に及ぶ
春月燎獵,對北惡罵,無故殺龜打蛇,如是等罪,司命隨其輕重,奪其紀算。算盡則死;死有餘責,乃殃及子孫。
新字:春月燎猟,対北悪罵,無故殺亀打蛇,如是等罪,司命随其軽重,奪其紀算。算尽則死;死有余責,乃殃及子孫。
書き下し
春月に燎獵し、北に対して悪罵し、故無くして亀を殺し蛇を打つ。是くの如き等の罪は、司命其の軽重に随ひて、其の紀算を奪ふ。算尽くれば則ち死す。死して余責有れば、乃ち殃ひ子孫に及ぶ。
現代語訳
春に野を焼いて狩りをし、北に向かって口ぎたなくののしり、理由もなく亀を殺し蛇を打ちます。こうした罪は、寿命をつかさどる神がその軽さ重さに応じて、紀や算を削ります。寿命が尽きれば死にます。死んでもなお償いきれない責めが残れば、そのわざわいは子孫にまで及ぶのです。
解説
百五十を超える悪行の目録が、ここで閉じられます。春の野焼き狩りは、繁殖の季節に生きものを絶やすことへの戒めで、この書が繰り返し置いてきた筋と同じです。そして最後の一文が重い。死んでも償いきれない責めは子孫に及ぶ、と言います。因果の清算が一人の一生では終わらないという考え方で、今の倫理観からは受け入れにくい面もあります。ただ、自分の代で始末しきれないものを次の代が背負う、という構図そのものは、借金にも評判にも荒れた土地にも当てはまります。自分一代の損得で判断を閉じないこと。この段をそう読むと、千年前の脅し文句が実務の話に変わります。
この章句が説くこと
司命子孫報い寿命殺生
関連する章句
-
『太上感応篇』総論・司過の神、人の算を奪ふ是を以て天地に司過の神有り、人の犯す所の軽重に依りて、以て人の算を奪ふ。算減ずれば則ち貧耗し、多く憂患に逢ふ。人皆之を悪み、刑禍之に随ひ、吉慶之を避け、悪星之を災す。算尽くれば則ち死す。
-
『太上感応篇』総論・過ちの大小、数百事あり月晦の日には、竈神も亦た然り。凡そ人に過ち有れば、大なれば則ち紀を奪ひ、小なれば則ち算を奪ふ。其の過ちの大小、数百事有り。長生を求めんと欲する者は、先づ須らく之を避くべし。
-
『太上感応篇』悪行・胎を傷り卵を破る飛ぶを射て走るを逐ひ、蟄れるを発き棲めるを驚かす。穴を填め巣を覆し、胎を傷り卵を破る。人の失有らんことを願ひ、人の成功を毀つ。人を危ふくして自ら安んじ、人を減らして自ら益す。
-
『太上感応篇』悪行・横に人の財を取る者は、妻子家口を以て之に当つ又た諸々の横に人の財を取る者は、乃ち其の妻子・家口を計りて以て之に当て、漸く死喪に至る。若し死喪せずんば、則ち水火・盗賊・遺亡器物・疾病口舌の諸事有りて、以て妄りに取りし値に当つ。
-
『太上感応篇』結論・胡ぞ勉めて之を行はざる凶人は悪を語り、悪を視、悪を行ふ。一日に三悪有れば、三年にして天必ず之に禍を降す。胡ぞ勉めて之を行はざる。
-
『太上感応篇』悪行・自ら咒ひ他を咒ひ、偏へに憎み偏へに愛す妻子に行ひ無く、舅姑に礼を失ふ。先霊を軽慢し、上命に違逆す。作為して益無く、外心を懐挾す。自ら咒ひ他を咒ひ、偏へに憎み偏へに愛す。