太上感応篇 / 悪行・心毒にして貌慈なり
施與後悔,假借不還;分外營求,力上施設;淫慾過度,心毒貌慈;穢食餧人,左道惑眾;
新字:施与後悔,仮借不還;分外営求,力上施設;淫慾過度,心毒貌慈;穢食餧人,左道惑衆;
書き下し
施与して後に悔い、仮借して還さず。分外に営求し、力上に施設す。淫慾度に過ぎ、心は毒にして貌は慈なり。穢食もて人に餧ひ、左道もて衆を惑はす。
現代語訳
人に施しておいて後から悔やみ、借りたものを返しません。身分不相応のことを求め、自分の力を越えた企てに手を出します。色欲が度を越し、心は毒でありながら見た目は慈悲深く見せています。汚れた食べものを人に食べさせ、あやしげな教えで人々を惑わせます。
解説
見た目と中身が食い違う悪をまとめた段です。施与後悔は、善行の段にあった与人不追悔をちょうど裏返したもので、施したあとで惜しむ心を罪として立てています。分外営求と力上施設は、身の丈を越えて求め、身の丈を越えて手を広げること。無理な拡大そのものを罪と見る発想です。中心にあるのが心毒貌慈で、腹は毒なのに顔つきは慈悲深い、という四字です。この書が並べた百五十余りの悪のうち、外から見抜くのが最も難しいのがこれでしょう。慈悲深く見えることが目的になった瞬間、慈悲は手段に変わります。自分がどちらになっているかは、施したあとの気持ちを見れば分かります。
この章句が説くこと
偽善分不相応借り施し貌
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