太上感応篇 / 悪行・天地を指して以て鄙懐を証す
毀人稱直,罵神稱正;棄順效逆,背親向疏;指天地以證鄙懷,引神明而鑒猥事。
新字:毀人称直,罵神称正;棄順効逆,背親向疏;指天地以証鄙懐,引神明而鑒猥事。
書き下し
人を毀ちて直と称し、神を罵りて正と称す。順を棄てて逆に效ひ、親に背きて疎に向かふ。天地を指して以て鄙懐を証し、神明を引きて猥事を鑒しむ。
現代語訳
人をこわしておいて、自分はまっすぐだと言い張り、神をののしっておいて、自分は正しいと言い張ります。順当な道を捨てて逆らう道にならい、身近な者にそむいて遠い者のほうを向きます。天地を指さして自分の卑しい思いの証人に立て、神々を引き合いに出して、みだらな事がらを見届けさせようとします。
解説
悪行の第三群を閉じる段で、最後の二句がこの書らしいところです。天地を指し、神明を引くとは、誓いを立てるということ。人が最も重い形で言葉を保証する手続きを、卑しい望みやみだらな事がらのために使う、という罪です。冒頭の毀人称直も同じ形をしています。人を傷つけておいて、自分は正直にものを言っただけだと言い張る。正しさを口実にして害を加える行いで、これは今も至るところで見かけます。正直や率直という言葉が、相手を傷つけたあとの言い訳になっているときは、たいていこの段に当たります。棄順効逆は、通るべき筋を捨ててわざわざ逆らう道を選ぶことです。
この章句が説くこと
詭弁誓い正直背信神
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