家道訓 / 巻之一・総論上
一家ををさむるに四の敎あり。一には、家業を勤めて生業ををさむ。二には、儉約にして財用を足らす。三には、つゝしみて我身をたもつ。四には、恕にして人を愛す。是王凝が語なり。恕は、我が心にて人の心をおしはかりて、人の好むことはほどこし、きらふ事はほどこさず。およそ家ををさむる人は、皆此四を守るべし。
新字:一家ををさむるに四の教あり。一には、家業を勤めて生業ををさむ。二には、倹約にして財用を足らす。三には、つゝしみて我身をたもつ。四には、恕にして人を愛す。是王凝が語なり。恕は、我が心にて人の心をおしはかりて、人の好むことはほどこし、きらふ事はほどこさず。およそ家ををさむる人は、皆此四を守るべし。
書き下し
一家ををさむるに四の教あり。一には、家業を勤めて生業ををさむ。二には、倹約にして財用を足らす。三には、つつしみて我身をたもつ。四には、恕にして人を愛す。是王凝が語なり。恕は、我が心にて人の心をおしはかりて、人の好むことはほどこし、きらふ事はほどこさず。およそ家ををさむる人は、皆此四を守るべし。
現代語訳
家を治めるには四つの教えがあります。一つには、家業を努めて生業を治めること。二つには、倹約して財用を足らせること。三つには、慎んで自分の身を保つこと。四つには、恕の心で人を愛することです。これは王凝の言葉です。恕とは、自分の心で人の心を推し量って、人の好むことは施し、嫌うことは施さないことです。およそ家を治める人は、皆この四つを守るべきです。
解説
家を治める四つの教えとして、家業に励むこと、倹約して財を足らせること、身を慎むこと、恕の心で人を愛することを挙げ、中国の王凝の言葉として紹介しています。恕は論語衛霊公篇で孔子が一生行うべき一言として挙げたもので、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」と説明されます。働くこと、使いすぎないこと、自分を律すること、人を思いやることという四つは、家計の管理から家族関係までを一言でまとめた、今でも通用する家庭の指針です。
この章句が説くこと
家恕倹約家業論語
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