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家道訓 / 巻之一・総論上

一凡家人をつかふには、人の心をおしはかり、うれひくるしみを知りて、人のくるしみなきやうにほどこすべし。奴婢は、主人を賴んで身をやしなふ者なり。心を用ひて情あるべし。刻薄にして情なく、彼をくるしむべからず。およそ人をつかふ者は、下人のうれひくるしみを能く思ひはかりて、かんがへ知るべし。

新字:一凡家人をつかふには、人の心をおしはかり、うれひくるしみを知りて、人のくるしみなきやうにほどこすべし。奴婢は、主人を頼んで身をやしなふ者なり。心を用ひて情あるべし。刻薄にして情なく、彼をくるしむべからず。およそ人をつかふ者は、下人のうれひくるしみを能く思ひはかりて、かんがへ知るべし。

書き下し

一凡家人をつかふには、人の心をおしはかり、うれひくるしみを知りて、人のくるしみなきやうにほどこすべし。奴婢は、主人を頼んで身をやしなふ者なり。心を用ひて情あるべし。刻薄にして情なく、彼をくるしむべからず。およそ人をつかふ者は、下人のうれひくるしみを能く思ひはかりて、かんがへ知るべし。

現代語訳

およそ家の者を使うには、人の心を推し量り、その憂いや苦しみを知って、人に苦しみがないように施すべきです。召使いは主人を頼りにして身を養う者です。心を用いて情けをかけるべきです。薄情で情けなく、彼らを苦しめてはいけません。およそ人を使う者は、下の者の憂いや苦しみをよく思いはかって、考え知るべきです。

解説

使用人を使う主人の心得を簡潔に述べた条です。召使いは主人を頼りに生活している者なのだから、その心を推し量り、憂いや苦しみを知って、苦しめないように配慮せよと説きます。上の立場の人は、下の人の苦労が見えにくいものです。益軒が繰り返し「思ひはかりて、かんがへ知るべし」と念を押すのはそのためでしょう。雇用主や管理職が、部下の負担や悩みを想像して仕事を配分するという、今の職場のマネジメントにもそのまま通じる教えです。

この章句が説くこと

使用人思いやり主人情け組織

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