家道訓 / 巻之一・総論上
一每日つとに起きて、手と面をあらひ、まづ父母の氣色をうかゞひ、飮食のこのみを問ひてとゝのへすゝめ、其もとめあるを聞きて、つとめ行ひて、父母の心にかなふべし。子弟に、其の日の務むべき課程をさづけをしへ、奴婢に、其の日の所作を云ひつけ、おこたりなからしめ、外事あらば使を命じ、人の附託あらば滯なく整ふべし。朝は早くおき、門戶を早く開かせ、家内の塵をはらひ、門の内外庭中を掃除して、皆いさぎよくすべし。朝おそく起くるは家のおとろへとなる。いましむべし。古人、家の盛衰は、朝おくることの遲速を以て試むべしと云ひし、むべなるかな。
新字:一毎日つとに起きて、手と面をあらひ、まづ父母の気色をうかゞひ、飲食のこのみを問ひてとゝのへすゝめ、其もとめあるを聞きて、つとめ行ひて、父母の心にかなふべし。子弟に、其の日の務むべき課程をさづけをしへ、奴婢に、其の日の所作を云ひつけ、おこたりなからしめ、外事あらば使を命じ、人の附託あらば滞なく整ふべし。朝は早くおき、門戸を早く開かせ、家内の塵をはらひ、門の内外庭中を掃除して、皆いさぎよくすべし。朝おそく起くるは家のおとろへとなる。いましむべし。古人、家の盛衰は、朝おくることの遅速を以て試むべしと云ひし、むべなるかな。
書き下し
一毎日つとに起きて、手と面をあらひ、まづ父母の気色をうかがひ、飲食のこのみを問ひてととのへすすめ、其もとめあるを聞きて、つとめ行ひて、父母の心にかなふべし。子弟に、其の日の務むべき課程をさづけをしへ、奴婢に、其の日の所作を云ひつけ、おこたりなからしめ、外事あらば使を命じ、人の附託あらば滞なく整ふべし。朝は早くおき、門戸を早く開かせ、家内の塵をはらひ、門の内外庭中を掃除して、皆いさぎよくすべし。朝おそく起くるは家のおとろへとなる。いましむべし。古人、家の盛衰は、朝おくることの遅速を以て試むべしと云ひし、むべなるかな。
現代語訳
毎日早く起きて手と顔を洗い、まず父母の機嫌をうかがい、飲食の好みを問うて整えて勧め、その求めを聞いて努めて行い、父母の心にかなうようにすべきです。子弟にはその日に務めるべき課業を授けて教え、召使いにはその日の仕事を言いつけて怠りがないようにさせ、外の用事があれば使いを命じ、人から頼まれたことがあれば滞りなく整えるべきです。朝は早く起き、門や戸を早く開けさせ、家の中の塵を払い、門の内外や庭を掃除して、皆清らかにすべきです。朝遅く起きるのは家の衰えとなります。戒めるべきです。古人が「家の盛衰は朝起きの早い遅いで試すことができる」と言ったのは、もっともなことです。
解説
この章句が説くこと
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