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家道訓 / 巻之一・総論上

一先祖をたふとび、時節の祭禮おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。國法をおそれ守り、上たる人の行、國家の政をそしるべからず。上をそしり國政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つゝしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。

新字:一先祖をたふとび、時節の祭礼おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。国法をおそれ守り、上たる人の行、国家の政をそしるべからず。上をそしり国政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つゝしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。

書き下し

一先祖をたふとび、時節の祭礼おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。国法をおそれ守り、上たる人の行、国家の政をそしるべからず。上をそしり国政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つつしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。

現代語訳

先祖を尊び、季節ごとの祭礼を怠ってはいけません。親戚を厚く親しむべきです。親戚に疎くて、外の人と親しむのは逆です。国の法を恐れて守り、上に立つ人の行いや国家の政治をそしってはいけません。上をそしり国政をそしるのは、大きな不忠不敬の極みです。慎むべきです。そしる人がいても雷同せず、口をつぐんで言ってはいけません。およそ自分の身を顧みて修め、常に自分の過ちを責めるべきです。人を責め、人の不善を言うことを戒めとすべきです。

解説

先祖の祭りを怠らず、親戚を大切にし、国法を守ることを説いたうえで、上の人や政治をそしるなと戒めています。封建の世の武士や庶民に向けた教えで、今日の言論の自由とは前提が違うことは念頭に置く必要があります。ただし核心は後半にあり、人を責めて人の欠点を言い立てるより、自分の過ちを省みて修めよという姿勢です。陰口に雷同しない、批判する前にまず自分を省みる、という心がけは、どの時代の人間関係にも役立ちます。

この章句が説くこと

修身先祖親戚陰口反省

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