家道訓 / 巻之一・総論上
一先祖をたふとび、時節の祭禮おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。國法をおそれ守り、上たる人の行、國家の政をそしるべからず。上をそしり國政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つゝしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。
新字:一先祖をたふとび、時節の祭礼おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。国法をおそれ守り、上たる人の行、国家の政をそしるべからず。上をそしり国政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つゝしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。
書き下し
一先祖をたふとび、時節の祭礼おこたるべからず。親戚をあつくしたしむべし。親戚にうとくして、外人に親しきは逆なり。国法をおそれ守り、上たる人の行、国家の政をそしるべからず。上をそしり国政をそしるは、是大なる不忠不敬のいたりなり。つつしむべし。そしる人ありとも雷同せず、口をつぐんで言ふべからず。凡わが身をかへりみ修めて、常にわが過を責むべし。人を責め人の不善をいふを、戒とすべし。
現代語訳
先祖を尊び、季節ごとの祭礼を怠ってはいけません。親戚を厚く親しむべきです。親戚に疎くて、外の人と親しむのは逆です。国の法を恐れて守り、上に立つ人の行いや国家の政治をそしってはいけません。上をそしり国政をそしるのは、大きな不忠不敬の極みです。慎むべきです。そしる人がいても雷同せず、口をつぐんで言ってはいけません。およそ自分の身を顧みて修め、常に自分の過ちを責めるべきです。人を責め、人の不善を言うことを戒めとすべきです。
解説
この章句が説くこと
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史記 秦本紀繆公客礼を以て之を礼し、戎を伐つの形を問ふ。三十六年、繆公復た益孟明等を厚くし、兵を将ゐて晋を伐たしむ。河を渡りて船を焚き、大いに晋人を敗り、王官及び鄗を取り、以て殽の役に報ゆ。晋人皆城守して敢へて出でず。是に於て繆公乃ち茅津より河を渡り、殽中の尸を封じ、為に喪を発し、之を哭すること三日。乃ち軍に誓ひて曰く、「嗟士卒、聴きて譁しき無かれ、余誓ひて汝に告ぐ。古の人は謀るに黄髪番番たるに則れば、則ち過つ所無し」と。以て蹇叔・百里傒の謀を用ゐざりしを申思す。故に此の誓を作り、後世をして以て余が過ちを記さしむ。君子之を聞き、皆為に涕を垂れて、曰く、「嗟乎、秦の繆公の人に与すること周きや、卒に孟明の慶を得たり」と。三十七年、秦由余の謀を用ゐて戎王を伐ち、国を益すこと十二、地を開くこと千里、遂に西戎に霸たり。天子召公過をして繆公を賀するに金鼓を以てせしむ。
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『家道訓』巻之四・用財上一士として、財利をむさぼり、吝嗇にして廉恥の志なく、親戚故旧の貧窮をめぐまず、われにしたしき人、我が采地の農人などの飢饉を見ても、心つよくしてすくはず。親戚朋友の礼義をつとめず。或は、あたふべき者にあたへず、取るまじき物をとり、人の財を用ひてつぐのはず。もしこの事我が身に一もあらば、是をいましむべし。人のよきあしきを見るも、皆我が身のかがみなり。善を見ては是を学び、悪を見ては我が身にも是ありやとかへりみるべし。如此すれば、人の善悪を見て、皆我か身の益となる。人の悪しきを謗らずして、我が身を省るべし。およそ鰥寡孤独貧窮にしてたよりなきもの、我が分にしたがひ、力の及ぶほどはすくふべし。これをすくふに財ををしむべからず。
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