十牛図 / 『十牛図』第四 得牛
久埋郊外今日逢渠、由境勝以難追、戀芳叢而不已、頑心尙勇、野性猶存、欲得純和必加鞭撻、 竭盡精神獲得渠、心强力壯卒難除、有時纔到高原上又入煙雲深處居、
新字:久埋郊外今日逢渠、由境勝以難追、恋芳叢而不已、頑心尚勇、野性猶存、欲得純和必加鞭撻、 竭尽精神獲得渠、心強力壮卒難除、有時纔到高原上又入煙雲深処居、
書き下し
久しく郊外に埋もれたり、今日渠に逢う。境の勝れたるに由りて以て追い難く、芳叢を恋いて已まず。頑心尚お勇み、野性猶お存す。純和を得んと欲せば、必ず鞭撻を加えよ。 精神を竭尽して渠を獲得せり。心強く力壮んにして卒に除き難し。有る時は纔かに高原の上に到り、又た煙雲深き処に入りて居る。
現代語訳
長いあいだ郊外に埋もれていたものに、今日ようやく出会いました。周囲の景色がよいために追いかけにくく、香りのよい草むらを慕って、いつまでも離れようとしません。頑固な心はなお勇み、野性もまだ残っています。素直でおとなしくさせたいなら、必ずむち打って鍛えなければなりません。 精神を使い果たして、ようやくこの牛を捕らえました。しかし心は強く力も盛んで、すぐには手なずけられません。あるときは高原の上まで来たかと思うと、またもや雲霧の深いところに入りこんで居座ってしまいます。
解説
四番目は、牛を捕らえる場面です。出会えたものの、牛はまだ頑固で野性が強く、景色のよいところに惹かれて逃げようとします。ここでの牛は、悟りの手がかりをつかんでも、なお心に残る習い性や欲を指すものと読まれます。仕事でも、新しい考え方を一度理解しただけでは、元のやり方に戻ってしまいがちです。序が「鞭撻を加えよ」と言うのは、理解のあとにこそ地道な鍛錬が要ることを示しています。頌の高原と雲霧の往復は、定着までの揺り戻しを思わせます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
得牛頑心野性鞭撻純和揺り戻し
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十牛図・『十牛図』第二 見跡経に依りて義を解し、教を閲して蹤を知る。衆器を明らかにして一金と為し、万物を体して自己と為す。正邪を弁ぜず、真偽奚んぞ分かたん。未だ斯の門に入らざれば、権に見跡と為す。 水辺林下、跡偏えに多し。芳草離披として見るや也た麼か。縦い是れ深山の更に深き処なりとも、遼天の鼻孔、怎でか他を蔵さん。
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