十八史略 / 『十八史略』宋・太宗・半部の論語で天下を定める
普初以吏道聞寡學術太祖嘗勸以讀書普遂手不釋卷每朝有大議輒闔戶自啓篋取一書閱之及卒家人視其篋則論語也嘗謂上曰臣有論語一部以半部佐太祖定天下以半部佐陛下致太平
新字:普初以吏道聞寡学術太祖嘗勧以読書普遂手不釈巻毎朝有大議輒闔戸自啓篋取一書閲之及卒家人視其篋則論語也嘗謂上曰臣有論語一部以半部佐太祖定天下以半部佐陛下致太平
書き下し
普、初め吏道を以て聞こえ、学術に寡なし。太祖、嘗て勧むるに読書を以てす。普、遂に手より巻を釈かず。朝ごとに大議有れば、輒ち戸を闔じて自ら篋を啓き、一書を取りて之を閲す。卒するに及び、家人其の篋を視れば、則ち論語なり。嘗て上に謂いて曰く、臣、論語一部有り。半部を以て太祖を佐けて天下を定め、半部を以て陛下を佐けて太平を致さん、と。
現代語訳
趙普は、はじめ官吏としての実務の才で知られ、学問や教養には乏しい人でした。太祖があるとき読書を勧めると、趙普は以後、手から書物を離さなくなりました。朝廷で大きな議題があるたびに、戸を閉め、自ら箱を開けて一冊の書を取り出し、これを読みました。亡くなったあと、家の者がその箱を見ると、入っていたのは『論語』でした。かつて上に言ったことがあります。「私には『論語』が一部あります。その半分で太祖をたすけて天下を定め、残りの半分で陛下をたすけて太平を実現いたします」。
解説
趙普は、官吏としての実務で名を上げた人物で、学問は乏しいと見られていました。太祖に読書を勧められてから、朝廷で大きな議題があるたびに、戸を閉めて箱から一冊を取り出して読みました。亡くなったあとに家の者が箱を開けると、中身は『論語』だったと言います。のちに上へ、論語の半分で太祖を助けて天下を定め、残りの半分で陛下を助けて太平を実現すると語りました。「半部論語治天下」という言い方は、ここから生まれたと伝えられます。実務の人が古典を判断の拠り所にしていた姿は、現場経験と原理の学びの両立を考えさせます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
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