宋名臣言行録 / 前集巻一・趙普
普為人隂刻當其用事時以睚眦中傷人甚多然其子孫至今享福禄國初大臣鮮能及者得非安天下之謀其功大乎
新字:普為人陰刻当其用事時以睚眦中傷人甚多然其子孫至今享福禄国初大臣鮮能及者得非安天下之謀其功大乎
書き下し
普の人と為り隂刻にして、其の事を用うる時に當たり、睚眦を以て人を中傷すること甚だ多し。然れども其の子孫、今に至るまで福禄を享く。國初の大臣、能く及ぶ者鮮なし。安天下の謀、其の功大なるに非ざるを得んや。
現代語訳
趙普の人柄は陰険で刻薄であり、権を握っていたころは、ちょっとした睨み合いから人を陥れることがきわめて多かった。それでもその子孫は今に至るまで福禄を受けている。建国期の大臣で、これに及ぶ者はほとんどいない。天下を安んじた謀りごとの功が、それだけ大きかったからではないか。
解説
同じ編者が、続けて趙普の欠点を並べた段です。人柄は陰険で刻薄、睨まれただけで人を陥れることが多かった。功績を語った直後に、隠さずこれを置く。そのうえで、それでも子孫が今も禄を受けているのは、天下を安んじた謀の功がそれだけ大きかったからだろう、と結びます。人物を丸ごと持ち上げないこと、功と欠点を別の秤で量ることが、この書の書き方です。
この章句が説くこと
普の人と為り陰刻にして睚眦を以て人を中傷すること甚だ多し安天下の謀其の功大なるに非ざるを得んや国初の大臣能く及ぶ者鮮なし評価功罪人物
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