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十八史略 / 『十八史略』宋・真宗・人材を書き留め、大事に備える

蒙正嘗置冊子夾袋中踈四方人才姓名以待選用初太祖嘗以張齊賢屬上至齊賢舉進士上欲置之上第而有司第其名在下乃詔一榜特與通判卒至大用呂端為相人謂呂相作事糊塗上知之曰端小事糊塗大事不糊塗自上即位以來以小人為相者盧多遜一人而已

新字:蒙正嘗置冊子夾袋中疎四方人才姓名以待選用初太祖嘗以張斉賢属上至斉賢舉進士上欲置之上第而有司第其名在下乃詔一榜特与通判卒至大用呂端為相人謂呂相作事糊塗上知之曰端小事糊塗大事不糊塗自上即位以来以小人為相者盧多遜一人而已

書き下し

蒙正、嘗て冊子を夾袋の中に置き、四方の人才の姓名を疏して、以て選用を待つ。初め太祖、嘗て張斉賢を以て上に属す。斉賢、進士に挙げらるるに至りて、上、之を上第に置かんと欲す。而れども有司、其の名を第して下に在らしむ。乃ち詔して、一榜、特に通判を与う。卒に大用に至る。呂端、相と為る。人、呂相は事を作すに糊塗なりと謂う。上、之を知りて曰く、端は小事に糊塗なれども、大事には糊塗ならず、と。上の即位してより以来、小人を以て相と為す者は、盧多遜の一人のみ。

現代語訳

蒙正は、かつて小さな冊子を袖の袋に入れ、各地の人材の名前を書きつけて、登用の機会を待っていました。かつて太祖は、張斉賢のことを上(のちの太宗)に託したことがありました。斉賢が進士に挙げられたとき、上は彼を最上位に置こうとしましたが、担当の役人は名簿の下位に置きました。そこで詔を出し、その年の合格者の中で、特に斉賢に通判の職を与えました。のちに彼は重く用いられるに至りました。呂端が宰相となると、人々は「呂宰相は物事を行うのにぼんやりしている」と言いました。上はこれを知って言いました。「端は小さなことではぼんやりしているが、大事なことではぼんやりしていない」。上が即位してから、小人物を宰相にしたのは、盧多遜ただ一人だけです。

解説

宋の宰相や人材をめぐる逸話を並べた箇所です。呂蒙正は、四方の人材の名を冊子に書いて袋に入れ、いつでも登用できるよう備えていました。呂端は世間から抜けていると見られていましたが、太宗は「小事にはぼんやりしていても、大事にはそうではない」と見抜いて宰相に据えます。人を見る目は、細かな行き届きだけでなく、判断を誤ってはならない場面で外さないかどうかにあります。日ごろから人材を把握しておくことと、短所の裏にある長所を見抜くことが、のちの重要な局面を支えます。
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この章句が説くこと

呂端呂蒙正人材登用張斉賢宋太宗大事に糊塗ならず

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