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十八史略 / 『十八史略』唐・玄宗・伴食宰相と盧懐慎の自覚

盧懷慎為黃門監懷慎清謹儉素妻子不免饑寒所居不蔽風雨姚崇嘗謁告十餘日政事委積懷慎不能決崇出須臾裁決盡顧謂齊澣曰我為相何如澣曰可謂救時之相懷慎知才不及每事推崇時謂之伴食宰相

新字:盧懐慎為黄門監懐慎清謹倹素妻子不免饑寒所居不蔽風雨姚崇嘗謁告十余日政事委積懐慎不能決崇出須臾裁決尽顧謂斉澣曰我為相何如澣曰可謂救時之相懐慎知才不及毎事推崇時謂之伴食宰相

書き下し

盧懐慎、黄門監と為る。懐慎は清謹倹素にして、妻子は饑寒を免れず、居る所は風雨を蔽わず。姚崇嘗て謁告すること十余日、政事委積して、懐慎は決する能わず。崇出でて須臾に裁決し尽くす。顧みて斉澣に謂いて曰く、我れ相と為ること何如、と。澣曰く、救時の相と謂うべし、と。懐慎は才の及ばざるを知り、事毎に崇を推す。時に之を伴食宰相と謂う。

現代語訳

盧懐慎は黄門監となりました。懐慎は清廉で慎み深く、質素で、妻子は飢えと寒さを免れず、住まいは風雨をしのぐこともできないほどでした。同僚の姚崇があるとき十日余り休暇を取ると、政務が溜まりましたが、懐慎は決裁できませんでした。崇が出勤すると、たちまちすべてを裁いて片づけました。崇は振り返って斉澣に言いました。「私が宰相としてやっているのは、どうだろうか」。澣は答えました。「時局を救う宰相と言ってよいでしょう」。懐慎は自分の才が及ばないと知り、何事も崇を立てて任せました。人々は、これを「伴食宰相」と呼びました。

解説

盧懐慎は黄門監となり、清廉で質素、妻子が飢えと寒さに苦しみ、家が風雨も防げないほどの暮らしでした。同僚の姚崇が休暇で十日余り休むと、政務が溜まり、懐慎は決められません。崇は戻るとたちまち裁きを終え、斉澣に、私の宰相ぶりはどうか、と尋ねます。澣は、時局を救う宰相です、と答えました。懐慎は自分の才が及ばないと知り、何事も崇に任せたので、人は彼を伴食宰相、つまり宴席で相伴するだけの宰相と呼んだのです。才の差を認めて道を譲る謙虚さは美徳です。ただ、判断まで預けきれば肩書だけが残る。その両面をこの言葉は伝えます。
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この章句が説くこと

盧懐慎姚崇伴食宰相斉澣玄宗謙譲

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