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十八史略 / 『十八史略』東晋・謝安・親を挙げて才を外さず

晉以秦人強盛為憂詔求良將可鎮禦北方者謝安以兄子玄應詔郗超歎之曰安之明乃能違眾擧親玄才不負所擧吾嘗見其使才雖履屐間未嘗不得其任玄鎮廣陵得劉牢之等為參軍戰無不捷號北府兵敵人畏之

新字:晋以秦人強盛為憂詔求良将可鎮禦北方者謝安以兄子玄応詔郗超嘆之曰安之明乃能違衆挙親玄才不負所挙吾嘗見其使才雖履屐間未嘗不得其任玄鎮広陵得劉牢之等為参軍戦無不捷号北府兵敵人畏之

書き下し

晋、秦人の強盛なるを以て憂いと為し、詔して良将の北方を鎮禦す可き者を求む。謝安、兄の子の玄を以て詔に応ず。郗超、之を歎じて曰く、安の明、乃ち能く衆に違いて親を挙ぐ。玄の才、挙ぐる所に負かず。吾、嘗て其の才を使うを見るに、履屐の間と雖も、未だ嘗て其の任を得ざること有らず、と。玄、広陵に鎮し、劉牢之等を得て参軍と為す。戦えば捷たざる無し。北府兵と号し、敵人、之を畏る。

現代語訳

晋は前秦の強盛を憂い、北方を守る優れた将軍を求める詔を出しました。謝安は兄の子の謝玄を推薦しました。郗超は感嘆して言いました。「謝安の見識は、世間の疑念に逆らって身内を推挙できるほどだ。謝玄の才は推挙に恥じない。私は以前、彼が人を使うのを見たが、履物のような些細なことでも、適材適所でなかったことがない」。謝玄は広陵に駐屯し、劉牢之らを参軍に得て、戦えば必ず勝ちました。その軍は北府兵と呼ばれ、敵はこれを恐れました。

解説

身内を推挙すれば縁故人事と疑われます。謝安はそれを承知のうえで、本人の才を信じて推薦しました。そして郗超は、謝玄の人を使う手腕を見て、その推薦が正しかったと評価しています。これは、人事に私情を持ち込まないことと、身内でも才があれば堂々と推すことを両立させた例です。重要なのは、推す側が結果の責任を負い、本人も実績で応えた点です。縁か能力かで迷うとき、根拠を言葉にできるか。評価の基準と実績の確認が、信頼される人事の土台であることを示しています。
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この章句が説くこと

謝安謝玄郗超北府兵劉牢之人材登用

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