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十八史略 / 『十八史略』漢・陸賈・馬上に得て、馬上に治むべけんや

賈時前說詩書帝罵之曰乃公馬上得天下安事詩書賈曰陛下以馬上得之寧可以馬上治之乎文武並用長久之術也使秦并天下行仁義法先聖陛下安得有之帝曰試為我著書秦所以失吾所以得及古成敗賈著書十二篇每奏稱善號曰新語

新字:賈時前説詩書帝罵之曰乃公馬上得天下安事詩書賈曰陛下以馬上得之寧可以馬上治之乎文武並用長久之術也使秦并天下行仁義法先聖陛下安得有之帝曰試為我著書秦所以失吾所以得及古成敗賈著書十二篇毎奏称善号曰新語

書き下し

賈、時に前みて詩書を説く。帝、之を罵りて曰く、乃公は馬上に天下を得たり、安んぞ詩書を事とせん、と。賈曰く、陛下、馬上を以て之を得たり、寧ろ馬上を以て之を治むべけんや。文武並び用うるは、長久の術なり。秦をして天下を并せ、仁義を行い先聖に法らしめば、陛下安んぞ之を有つことを得んや、と。帝曰く、試みに我が為に書を著せ、秦の失いし所以、吾が得し所以、及び古の成敗を、と。賈、書十二篇を著し、奏する毎に善を称し、号して新語と曰う。

現代語訳

陸賈は折に触れて進み出て、『詩経』や『書経』の話をしました。高祖は罵って言いました。「お前の主君は馬の上で天下を取ったのだ。詩や書など何の役に立つ」。陸賈は答えました。「陛下は馬の上で天下を得られましたが、馬の上で治めることができましょうか。文と武を併せ用いることが、長く続く道です。もし秦が天下を併せたのち、仁義を行い、古の聖人に倣っていたなら、陛下はどうして天下を手にすることができたでしょう」。高祖は言いました。「ためしに私のために書を著せ。秦が天下を失った理由、私が得た理由、そして古来の成功と失敗について書け」。陸賈は書を十二篇著し、一篇を奏上するたびに高祖はほめました。この書は『新語』と呼ばれました。

解説

創業者に対して、戦で勝つ方法と国を治める方法は別だと直言した陸賈の逸話です。高祖は罵りながらも、秦がなぜ滅び自分がなぜ勝ったかを書にまとめるよう命じ、直言を受け入れる度量を示しました。ここで語られる、文と武を併せ用いる長久の術は、攻めの時期の強みを守りの時期にも使い続けると破綻しやすいという警句としても読めます。成長段階が変わったときに、これまでの成功体験が通用するかを見直す姿勢が、組織を長く保つ条件です。
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この章句が説くこと

陸賈新語馬上得天下文武並用創業と守成直言

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