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十八史略 / 『十八史略』漢・高祖・蕭何は功人、諸将は功狗

功臣皆曰臣等被堅執銳多者百餘戰少者數十合蕭何未嘗有汗馬之勞徒持文墨議論不戰顧反居臣等上何也上曰諸君知獵乎逐殺獸者狗也發縱指示者人也諸君徒能得走獸耳功狗也至如蕭何功人也群臣皆莫敢言

新字:功臣皆曰臣等被堅執鋭多者百余戦少者数十合蕭何未嘗有汗馬之労徒持文墨議論不戦顧反居臣等上何也上曰諸君知猟乎逐殺獣者狗也発縦指示者人也諸君徒能得走獣耳功狗也至如蕭何功人也群臣皆莫敢言

書き下し

功臣皆曰く、臣等は堅を被り鋭を執り、多き者は百余戦、少なき者も数十合なり。蕭何は未だ嘗て汗馬の労有らず、徒だ文墨議論を持するのみ。戦わずして顧って反って臣等の上に居るは、何ぞや、と。上曰く、諸君は猟を知るか。獣を逐い殺す者は狗なり。発縦して指示する者は人なり。諸君は徒だ能く走獣を得るのみ、功狗なり。蕭何の如きに至りては、功人なり、と。群臣皆敢えて言う莫し。

現代語訳

功臣たちはみな不満を言いました。「われわれは堅い甲を着て鋭い武器を執り、多い者は百余度、少ない者でも数十度戦いました。ところが蕭何は戦場で汗を流した功労もなく、ただ文書を扱い議論をしていただけです。戦ってもいないのに、かえってわれわれの上に置かれるのはなぜですか」。高祖は言いました。「諸君は狩りを知っているか。獣を追って殺すのは犬だ。綱を解いて獲物の場所を指し示すのは人間だ。諸君は走る獣を捕らえただけで、いわば功績のある犬だ。蕭何は、犬を放して指図した、功績のある人間だ」。群臣はみな何も言えなくなりました。

解説

論功行賞で最上位に蕭何を置いたことへの不満に、高祖が狩りのたとえで答えた場面です。前線で戦った将軍たちを功狗、全体を指図し補給を支えた蕭何を功人と呼び、仕事の質の違いを一言で示しました。戦場の目に見える働きは評価されやすい一方、補給や調整のような後方の働きは見落とされがちです。ただし功狗という言い方は、現場の功労者を傷つける面もあります。評価の基準を示すときは、役割の違いを認めつつ、納得感を得る伝え方が必要です。
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この章句が説くこと

蕭何功人功狗論功行賞後方支援劉邦評価の基準

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