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十八史略 / 『十八史略』斉・桓公(管仲)・管鮑の交わりと怨みの超克

管仲嘗遮莒道射小白中帶鉤小白先至齊而立鮑叔牙薦管仲為政公置怨而用之仲字夷吾嘗與鮑叔賈分利多自與鮑叔不以為貪知仲貧也嘗謀事窮困鮑叔不以為愚知時有利不利也嘗三戰三走鮑叔不以為怯知仲有老母也仲曰生我者父母知我者鮑子也桓公九合諸侯一匡天下皆仲之謀一則仲父二則仲父

新字:管仲嘗遮莒道射小白中帯鉤小白先至斉而立鮑叔牙薦管仲為政公置怨而用之仲字夷吾嘗与鮑叔賈分利多自与鮑叔不以為貪知仲貧也嘗謀事窮困鮑叔不以為愚知時有利不利也嘗三戦三走鮑叔不以為怯知仲有老母也仲曰生我者父母知我者鮑子也桓公九合諸侯一匡天下皆仲之謀一則仲父二則仲父

書き下し

管仲、嘗て莒の道に遮りて小白を射、帯鉤に中つ。小白先ず斉に至りて立つ。鮑叔牙、管仲を薦めて政を為さしむ。公、怨みを置きて之を用う。仲、字は夷吾。嘗て鮑叔と賈し、利を分かつに多く自ら与う。鮑叔以て貪と為さず、仲の貧しきを知ればなり。嘗て事を謀りて窮困す。鮑叔以て愚と為さず、時に利有り不利有るを知ればなり。嘗て三たび戦いて三たび走ぐ。鮑叔以て怯と為さず、仲に老母有るを知ればなり。仲曰く、「我を生む者は父母、我を知る者は鮑子なり」と。桓公の九たび諸侯を合し、一たび天下を匡すは、皆な仲の謀なり。一に則ち仲父、二に則ち仲父。

現代語訳

管仲はかつて莒への道で待ち伏せし、小白を射て、帯留めの金具に当てたことがありました。小白が先に斉に着いて即位すると、鮑叔牙は管仲を推薦して政治を担わせました。桓公は恨みを捨てて彼を用いました。管仲は字を夷吾といいます。以前、鮑叔と商売をしたとき、利益を分けるのに自分が多く取りましたが、鮑叔は彼を欲深いとは思いませんでした。管仲が貧しいことを知っていたからです。事を謀って行き詰まったときも、鮑叔は愚かだとは思いませんでした。時には有利なときも不利なときもあると知っていたからです。三度戦って三度逃げたときも、鮑叔は臆病だとは思いませんでした。管仲に年老いた母がいることを知っていたからです。管仲は言いました。「私を生んだのは父母だが、私を知ってくれたのは鮑子だ」。桓公が九たび諸侯を会同させ、ひとたび天下を正したのは、すべて管仲の謀によるものでした。何事も「仲父に」「仲父に」と、桓公は任せきりでした。

解説

「管鮑の交わり」の出どころです。管仲が若いころ、商売で利益を多く取ったり、戦場から逃げたりしても、鮑叔牙は欲深さや臆病さとは見ず、背景にある事情を理解しました。管仲自身が「我を知る者は鮑子なり」と述べています。さらに鮑叔は、かつて自分の主君を射た管仲を桓公に推薦し、桓公もまた恨みを捨てて用いました。人の評価を表面の行動で決めず事情を知ろうとする姿勢と、私怨より人材を優先する決断が重なっています。現代の人事でも、過去の失敗だけで人を測らず背景を聞く習慣が、適材適所を支えます。
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この章句が説くこと

管仲鮑叔牙管鮑の交わり桓公怨みを置く人材登用

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