古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

十八史略 / 『十八史略』宋・景公・宋の景公と災いの転嫁

其後有景公者熒惑嘗以其時守心心宋之分野公憂之司星子韋曰可移於相公曰相吾之股肱曰可移於民公曰君者待民曰可移於歲公曰歲饑民困吾誰為君子韋曰天高聽卑君有君人之言三宜有動候之果徙一度

新字:其後有景公者熒惑嘗以其時守心心宋之分野公憂之司星子韋曰可移於相公曰相吾之股肱曰可移於民公曰君者待民曰可移於歳公曰歳饑民困吾誰為君子韋曰天高聴卑君有君人之言三宜有動候之果徙一度

書き下し

其の後、景公なる者有り。熒惑、嘗て其の時に心を守る。心は宋の分野なり。公之を憂う。司星の子韋曰く、「相に移すべし」と。公曰く、「相は吾が股肱なり」と。曰く、「民に移すべし」と。公曰く、「君は民を待つ者なり」と。曰く、「歳に移すべし」と。公曰く、「歳饑え民困しまば、吾誰をか君と為さん」と。子韋曰く、「天は高くして卑きに聴く。君に君人の言三有り。宜しく動く有るべし」と。之を候うに、果たして一度徙れり。

現代語訳

その後、宋に景公という君主が立ちました。熒惑という星が、ある時期に心宿にとどまりました。心宿は宋の分野にあたります。景公はこれを憂えました。司星の子韋は、「災いを宰相に移せばよいでしょう」と言いました。景公は「宰相は私の手足だ」と答えました。子韋が「では民に移せばよいでしょう」と言うと、景公は「君主は民に支えられる者だ」と答えました。子韋が「では年の実りに移せばよいでしょう」と言うと、景公は「作物が実らず民が苦しめば、私は誰の君主となれようか」と答えました。子韋は言います。「天は高い所にありながら低い所の声をよく聞きます。君には君主らしい言葉が三つありました。星に動きがあるはずです」。様子をうかがうと、はたして星は一度動きました。

解説

宋の景公が、凶兆とされた熒惑の運行を前に、災いを宰相や民、年の実りに移すことを勧められて、すべて断る場面です。災いを誰かに転嫁することを拒み、君主は民に支えられる者だと言い切ります。その言葉を聞いた司星の子韋は、君に君主らしい言葉が三つあったので、天も応じるはずだと述べ、実際に星が動いたと記されます。現代でも、問題が起きたときに責任を部下や取引先へ移したくなる誘惑があります。自分が引き受けると先に決める姿勢が、組織の信用を支えます。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る

この章句が説くこと

景公熒惑子韋責任股肱君者待民

関連する章句

本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る