導師導古典を学びたいすべての人に

神皇正統記 / 巻二 第六代 孝安天皇

第六代、孝安天皇は孝昭第二の子。御母世襲足の姫、尾張の連の上祖瀛津世襲の女也。乙丑の年即位。大倭秋津嶋の宮にまします。天下を治給こと一百二年。百二十歳おまし〳〵き。

書き下し

第六代、孝安天皇は孝昭第二の子。御母世襲足の姫、尾張の連の上祖瀛津世襲の女也。乙丑の年即位。大倭秋津嶋の宮にまします。天下を治給こと一百二年。百二十歳おましましき。

現代語訳

第六代、孝安天皇は孝昭天皇の第二の子。御母は世襲足姫で、尾張連の遠祖である瀛津世襲の娘である。乙丑の年に即位。大倭の秋津嶋の宮においでになる。天下を治められたことは一百二年。百二十歳でいらっしゃった。

解説

第六代孝安天皇の記事は、父母、即位の干支、宮、治世年数、年齢だけでできている。治世が百二年、年齢が百二十歳というのは、即位の時点ですでに十八歳だった計算になり、数字そのものが伝承の性格をよく示している。この時代の天皇の治世や寿命は、神武即位を古く置いたために引き延ばされたものと考えられており、史実とは限らない。親房はその数字を疑いも弁護もせず、日本書紀に従ってそのまま記している。注目したいのは宮の名が「秋津嶋の宮」であることだ。巻一で親房は、秋津州という国の名が神武天皇の言葉に始まるという説を退け、神代にすでに豊秋津根の名があったと論じていた。国の名がここでは宮の名として現れる。また母が尾張連の祖の娘であることは、皇統が各地の有力な氏族と婚姻で結ばれていったことを示している。短い記事にも、読み取れる筋は残っている。

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る