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人物志 / 材能

伎倆之政,宜於治富,以之治貧則勞而下困。

新字:伎倆之政,宜於治富,以之治貧則労而下困。

書き下し

伎倆の政は、富を治むるに宜しく、之を以て貧を治むれば則ち労して下困しむ。

現代語訳

技量を重んじる政治は、豊かなところを治めるのに適しているが、これで貧しいところを治めると、民は苦労して下々が困窮する。

解説

伎倆の政、すなわち実務の技量と事業の工夫に長けた人の政治について述べる。流業篇で伎倆は法家の流れで、一官の任を受けて巧みに処理する才とされた。こうした政治は、資源の豊かな土地では事業を興して成果を上げるが、貧しい土地で同じことを行うと、民に労役を課すばかりで下々が困窮する。利害篇でも伎倆の業の弊害は「民労して下困しむ」とされている。成果を出す手腕があっても、土台の体力がない所では負担だけが残るという指摘である。現代でも、余力のある組織では新施策が成果を生むが、疲弊した組織に施策を重ねれば現場が消耗する。施策の前に土台の体力を見よという戒めである。

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