人物志 / 材能
故量能授官,不可不審也。
書き下し
故に能を量りて官を授くるは、審らかにせざるべからざるなり。
現代語訳
それゆえ、能力を見極めた上で役職を授けることは、慎重に行わなければならない。
解説
ここまで述べてきた適材適所の議論の結論として、人の能力を見極めて役割を与えることの重責が語られている。役職や仕事を割り振る行為は、単なる事務作業ではなく、その人の持ち味と場の性質とを照らし合わせる判断であるべきだという戒めである。役割を安易に決めると、本人の力が発揮されないばかりか、任された場もうまく機能しなくなる。誰かに仕事を頼むとき、自分が役目を引き受けるとき、この見極めをどれだけ丁寧に行えているかが問われる。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
人事の要諦見極め慎重な任命
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人物志・材能故に臣は自ら任ずるを以て能と為し、君は人を用うるを以て能と為す。臣は能く言うを以て能と為し、君は能く聴くを以て能と為す。臣は能く行うを以て能と為し、君は能く賞罰するを以て能と為す。能とする所同じからず、故に能く衆材に君たるなり。
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人物志・流業凡そ此の十二材は、皆人臣の任なり。
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人物志・材能夫れ人材同じからず、能は各異なる有り。自任の能有り、立法使人の能有り、消息弁護の能有り、徳教を以て人に師たるの能、行事使人譴譲の能有り、司察糾摘の能有り、権奇の能有り、威猛の能有り。夫れ能は材より出で、材は量を同じくせず。材能既に殊なれば、政に任ずるも亦異なる。是の故に、自任の能は、清節の材なり、故に朝に在りては、則ち冢宰の任、国の為にしては、則ち矯直の政なり。立法の能は、治家の材なり、故に朝に在りては、則ち司寇の任、国の為にしては、則ち公正の政なり。計策の能は、術家の材なり、故に朝に在りては、則ち三孤の任、国の為にしては、則ち変化の政なり。人事の能は、智意の材なり、故に朝に在りては、則ち冢宰の佐、国の為にしては、則ち諧合の政なり。行事の能は、譴譲の材なり、故に朝に在りては、則ち司寇の佐、国の為にしては、則ち督責の政なり。権奇の能は、伎倆の材なり、故に朝に在りては、則ち司空の任、国の為にしては、則ち芸事の政なり。司察の能は、臧否の材なり、故に朝に在りては、則ち師氏の佐、国の為にしては、則ち刻削の政なり。威猛の能は、豪傑の材なり、故に朝に在りては、則ち将帥の任、国の為にしては、則ち厳厲の政なり。
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