人物志 / 材能
辨護之政,宜於治煩,以之治易則無易。
新字:弁護之政,宜於治煩,以之治易則無易。
書き下し
弁護の政は、煩を治むるに宜しく、之を以て易を治むれば則ち易無し。
現代語訳
弁じて取りなす政治は、煩雑なところを治めるのに適しているが、これで平易なところを治めると、平易さがなくなってしまう。
解説
八つの政治の型のうち、弁護の政を述べる一句である。弁護とは、言葉を尽くして事情を弁じ、利害を取りなすことで、材能篇では消息弁護の能として挙げられた。こうした政治は、利害が入り組んで煩雑な土地ではよく働くが、もともと素朴で治めやすい土地に持ち込むと、かえって事を複雑にして平易さを失わせてしまう。どんなに優れた手法でも、場所を誤れば害になるという劉劭の観察である。現代の組織でも、調整力の高い人が、単純で速さが求められる現場に入ると、会議や根回しを増やして仕事を重くしてしまうことがある。手法と現場の相性を見極めることが大切だと教えている。
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