人物志 / 材能
策術之政,宜於治難,以之治平則無奇。
書き下し
策術の政は、難を治むるに宜し。之を以て平を治むれば則ち奇無し。
現代語訳
策略を駆使する政治は、困難な局面を打開するのに適している。これを平穏な時世の統治に用いても、目立った効果は生まれない。
解説
危機を切り抜けるための知略は、乱れた状況を打開するときにこそ真価を発揮するが、すでに安定している状況に同じ手法を持ち込んでも効果は生まれない、という指摘である。緊急事態で発揮された機転や大胆な判断力を平時にもそのまま使い続けようとすると、かえって場を乱したり無用な緊張を生んだりすることがある。危機を乗り越えた成功体験ほど状況を選ばず適用したくなるが、状況が変われば有効な手立ても変わるという当たり前のことを、この一文は思い出させてくれる。
この章句が説くこと
策謀の限界平時と有事成功体験の使い回し
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