人物志 / 體別
彊楷堅勁,用在楨幹,失在專固。論辨理繹,能在釋結,失在流宕。
新字:彊楷堅勁,用在楨幹,失在専固。論弁理繹,能在釈結,失在流宕。
書き下し
彊楷堅勁なるは、用は楨幹に在り、失は専固に在り。論弁理繹なるは、能は釈結に在り、失は流宕に在り。
現代語訳
強く規範的で堅固な人は、その用い所は(組織の)柱や骨組みとなることにあり、欠点は一つに固執して頑固なことにある。論じ弁じて筋道を解きほぐす人は、その能力はもつれた問題を解くことにあり、欠点は議論が流れて締まりがなくなることにある。
解説
偏材の型を続けて二つ挙げる。強く規範的で堅い人は、楨幹すなわち建物の柱や骨組みのように組織を支えるが、行き過ぎれば頑固に一つのやり方に固執する。論じて筋道を解きほぐす人は、もつれた問題を解く力があるが、行き過ぎれば話が流れて締まりがなくなる。劉劭はどの型にも、才が生きる場面と欠点が出る場面とを一組にして示し、人を一面的に良い悪いと決めない。現代の組織でも、規律を守らせる人と、議論で問題を整理する人は、ともに欠かせない。それぞれの弱点を別の型の人で補う組み合わせを考えることが、人を配置する側の仕事になる。
関連する章句
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人物志・體別是の故に、厲直剛毅なるは、材は矯正に在り、失は激訐に在り。
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人物志・材理堅勁の人は、好んで其の事実を攻む。機理を指せば則ち穎灼にして徹尽し、大道に渉れば則ち径露にして単持す。弁給の人は、辞煩にして意鋭し。人事を推せば則ち精識にして理を窮め、大義に即けば則ち恢愕にして周からず。浮沈の人は、沈思すること能はず、疏数を序すれば則ち豁達にして傲博、事要を立つれば則ち爁炎にして定まらず。
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人物志・體別休動磊落なるは、業は攀躋に在り、失は疏越に在り。沈静機密なるは、精は玄微に在り、失は遅緩に在り。
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人物志・體別凌楷の人は、意を秉ること勁特にして、其の情の固護なるを戒めず、辨を以て偽と為し、其の專を彊む。是の故に、以て正を持すべきも、與に眾を附くること難し。
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『長短経』徳表精良畏慎は、善は恭謹に在り、失は疑多きに在り。〔精慎の人は、患を畏れ忌むこと多し。其の義を為すに懦きを戒めずして、勇を以て狎と為し、其の疑を増す。是の故に、与に保全す可くして、与に節を立て難きなり。〕強楷堅勁は、用は楨幹に在り、失は専固に在り。〔凌楷の人は、意を秉ること勁持なり。其の情の固護を戒めずして、辨を以て虚と為し、其の専を強む。是の故に、与に正を持す可くして、与に衆に附き難きなり。〕論辨理繹は、能は結を釈くに在り、失は流宕に在り。〔博辨の人は、理を論じて贍給なり。其の辞の浮濫を戒めずして、楷を以て繫と為し、其の流を遂ぐ。是の故に、与に汎く序す可くして、与に約を立て難きなり。〕
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『長短経』徳表人物志に曰く「厲直剛毅は、材は矯正に在り、失は激訐に在り。〔強毅の人は、佷剛にして和せず。其の強の搪突を戒めずして、順を以て撓と為し、其の亢を厲ます。是の故に、与に法を立つ可くして、与に微に入り難きなり。〕柔順安恕は、美は寛容に在り、失は決少なきに在り。〔柔順の人は、緩心にして寛断なり。其の事の摂まらざるを戒めずして、亢を以て劌と為し、其の舒に安んず。是の故に、与に常に循う可くして、与に疑を権り難きなり。〕雄捍桀健は、任は胆烈に在り、失は忌少なきに在り。〔雄捍の人は、気奮い英決なり。其の勇の毀跌を戒めずして、順を以て恇と為し、其の勢いを竭くす。是の故に、与に難に渉る可くして、与に屈に居り難きなり。〕
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