人物志 / 體別
精良畏慎,善在恭謹,失在多疑。
書き下し
精良畏慎なるは、善は恭謹に在り、失は多疑に在り。
現代語訳
誠実で慎み深い人は、その美点は礼儀正しさにあるが、欠点は疑い深いことにある。
解説
慎重で謹厳な人は礼儀正しさで信頼を得る一方、疑い深くなりがちだという弱点を抱える。人物志はこの二面性を率直に描き出す。慎み深さは美点として評価されやすいが、行き過ぎれば人を信じられなくなり、かえって周囲との関係を狭めてしまうことにもなりかねない。自分の慎重さが今どこまで健全に働いていて、どこから過剰な疑心に変わっているのか、時折立ち止まって点検する必要がある。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
畏慎恭謹多疑
関連する章句
-
『長短経』徳表精良畏慎は、善は恭謹に在り、失は疑多きに在り。〔精慎の人は、患を畏れ忌むこと多し。其の義を為すに懦きを戒めずして、勇を以て狎と為し、其の疑を増す。是の故に、与に保全す可くして、与に節を立て難きなり。〕強楷堅勁は、用は楨幹に在り、失は専固に在り。〔凌楷の人は、意を秉ること勁持なり。其の情の固護を戒めずして、辨を以て虚と為し、其の専を強む。是の故に、与に正を持す可くして、与に衆に附き難きなり。〕論辨理繹は、能は結を釈くに在り、失は流宕に在り。〔博辨の人は、理を論じて贍給なり。其の辞の浮濫を戒めずして、楷を以て繫と為し、其の流を遂ぐ。是の故に、与に汎く序す可くして、与に約を立て難きなり。〕
-
人物志・體別沉靜の人は、道思迴復し、其の靜の遲後なるを戒めず、動を以て疏と為し、其の懦を美とす。是の故に、與に深慮すべきも、與に捷速なること難し。
-
人物志・體別樸露徑盡なるは、質は中誠に在り、失は不微に在り。
-
人物志・接識夫れ清節の人は、正直を以て度と為す。故に其の衆材を歴るや、能く性行の常を識るも、或いは法術の詭を疑う。
-
人物志・體別夫れ拘抗の中を違へば、故に善に章るる所有りて、理に失する所有り。
-
人物志・體別雄悍傑健なるは、任は膽烈に在り、失は多忌に在り。