文昌帝君陰騭文 / 第四段・夜灯を点じて人の行くを照らす
捨藥材以拯疾苦,施茶水以解渴煩。點夜燈以照人行,造河船以濟人渡。或買物而放生,或持齋而戒殺。舉步常看蟲蟻,禁火莫燒山林。
新字:捨薬材以拯疾苦,施茶水以解渇煩。点夜灯以照人行,造河船以済人渡。或買物而放生,或持斎而戒殺。舉歩常看虫蟻,禁火莫焼山林。
書き下し
薬材を捨てて以て疾苦を拯ひ、茶水を施して以て渇煩を解く。夜灯を点じて以て人の行くを照らし、河船を造りて以て人の渡るを済ふ。或いは物を買ひて放生し、或いは斎を持して戒殺す。歩を挙ぐるに常に虫蟻を看、火を禁じて山林を焼くこと莫かれ。
現代語訳
薬を差し出して病の苦しみを救い、茶や水をふるまって渇きと苦しさを癒します。夜に灯をともして人の通る道を照らし、川に船を造って人が渡るのを助けます。あるときは生きものを買い取って放してやり、あるときは精進して殺生をやめます。歩くときはいつも虫や蟻に気をつけ、火を慎んで山林を焼いてはなりません。
解説
だれにでもできる小さな善を並べた段です。薬を出し、茶を施し、夜道に灯をともし、渡し船を造る。どれも、その場に居合わせた者にしかできないことばかりです。放生と持斎は仏教の実践で、ここでも三教が混ざっています。最後の二句が印象に残ります。歩くときに足もとの虫や蟻を見よ、火を出して山を焼くな。片方はごく小さな注意で、もう片方は取り返しのつかない大きな害です。その二つが並べて置かれている。足もとを見る習慣と、山を焼かない用心は、同じ一つの注意深さから出ているという見方でしょう。
この章句が説くこと
施し放生灯山林注意
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