文昌帝君陰騭文 / 第三段・漏沢の仁園を造り、啓蒙の義塾を興す
措衣食,周道路之饑寒;施棺槨,免屍骸之暴露。造漏澤之仁園,興啟蒙之義塾。家富,提攜親戚;歲饑,賑濟鄰朋。
新字:措衣食,周道路之饑寒;施棺槨,免屍骸之暴露。造漏沢之仁園,興啓蒙之義塾。家富,提攜親戚;歳饑,賑済鄰朋。
書き下し
衣食を措きて、道路の飢寒を周ふ。棺槨を施して、屍骸の暴露を免れしむ。漏沢の仁園を造り、啓蒙の義塾を興す。家富めば、親戚を提携し、歳饑ゑれば、隣朋を賑済す。
現代語訳
衣服や食べものを用意して、道ばたで飢え凍える人を救います。棺を施して、遺体が野ざらしになるのを防ぎます。無縁の人を葬る墓地をつくり、子どもを学ばせる無料の塾を興します。家が豊かであれば親類を引き立て、その年が不作であれば近隣や友人を助けます。
解説
陰徳を、目に見える事業として並べた段です。漏沢園は宋代に置かれた官設の共同墓地で、引き取り手のない遺体を葬るためのものでした。義塾は費用を取らない学校のこと。どちらも個人の施しを越えて、仕組みとして残る形の善です。並べ方に順序があり、まず飢えと寒さという今日の命、次に葬りという死後の始末、そして墓地と塾という後々まで残るもの、最後に家の豊かさと不作の年の助け合いへと進みます。施しを一度きりの行いで終わらせず、続く形にせよという発想がここにあります。今日でいえば、寄付と仕組みづくりの両方を並べて説いていることになります。
この章句が説くこと
義塾漏沢園施し仕組み隣人
関連する章句
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孟子・離婁章句上孟子曰く、「離婁の明、公輸子の巧も、規矩を以てせざれば、方員を成すこと能わず。師曠の聰も、六律を以てせざれば、五音を正すこと能わず。堯舜の道も、仁政を以てせざれば、天下を平治すること能わず。今、仁心仁聞有りて、而も民其の澤を被らず、後世に法る可からざる者は、先王の道を行わざればなり。故に曰く、『徒善は以て政を為すに足らず、徒法は以て自ら行わるること能わず。』詩に云う、『愆らず忘れず、舊章に率い由る。』先王の法に遵いて過つ者は、未だ之れ有らざるなり。聖人既に目の力を竭くし、之に繼に規矩準繩を以てす。以て方員平直を為すこと、用うるに勝う可からざるなり。既に耳力を竭くし、之に繼ぐに六律を以てす。五音を正すこと、用うるに勝う可からざるなり。既に心思を竭くし、之に繼ぐに人に忍びざるの政をを以てす。而うして仁天下を覆う。故に曰く、『高きを為すには、必ず丘陵に因り、下きを為すには、必ず川澤に因る。』政を為すに、先王の道に因らずんば、智と謂う可けんや。是を以て惟だ仁者のみ宜しく高位に在るべし。不仁にして高位に在るは、是れ其の惡を衆に播するなり。上に道揆無く、下に法守無く、朝は道を信ぜず、工は度を信ぜず、君子は義を犯し、小人は刑を犯して、國の存する所の者は幸いなり。故に曰く、『城郭完からず、兵甲多からざるは、國の災いに非ざるなり。田野辟けず、貨財聚まらざるは、國の害に非ざるなり。』上、禮無く、下、學無ければ、賊民興り、喪ぶること日無けん。詩に曰く、『天の方に蹶(くつがえす)えさんとする、然く泄泄すること無かれ。』泄泄とは、猶ほ沓沓のごときなり。君に事えて義無く、進退禮無く、言えば則ち先王の道を非る者は、猶ほ沓沓のごときなり。故に曰く、『難きを君に責む、之を恭と謂う。善を陳べ邪を閉づる、之を敬と謂う。吾が君能わずとす、之を賊と謂う。』」
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