陰符経 / 下篇・強兵戰勝演術章・自然之道靜
自然之道靜,故天地萬物生。天地之道寖,故陰陽勝。陰陽相推,而變化順矣。是故聖人知自然之道不可違,因而制之。至靜之道,律曆所不能契。爰有奇器,是生萬象。八卦甲子,神機鬼藏。隂陽相勝之術,昭昭乎進乎象矣。
新字:自然之道静,故天地万物生。天地之道寖,故陰陽勝。陰陽相推,而変化順矣。是故聖人知自然之道不可違,因而制之。至静之道,律暦所不能契。爰有奇器,是生万象。八卦甲子,神機鬼蔵。陰陽相勝之術,昭昭乎進乎象矣。
書き下し
自然の道は静かなり、故に天地万物生ず。 天地の道は浸し、故に陰陽勝つ。 陰陽相推して、変化順う。 是の故に聖人は、自然の道の違うべからざるを知り、因りてこれを制す。 至静の道は、律暦も契う能わざる所なり。 ここに奇器有り、是れ万象を生ず。 八卦甲子、神機鬼蔵す。 陰陽相勝の術、昭昭乎として象に進む。
現代語訳
自然の道は静かです。だから天地万物が生まれます。 天地の道は少しずつ浸みていきます。だから陰と陽が互いに勝ち合います。 陰と陽が押し合うことで、変化は順調に進みます。 そのため聖人は、自然の道に逆らえないことを知り、それに従ってこれを治めます。 極みの静かな道は、音律や暦でも言い当てることができません。 ここに不思議な器があり、これがさまざまな現象を生み出します。 八卦や甲子の中に、神妙なはたらきが隠れています。 陰陽が勝ち合う術は、はっきりと現象の中に現れてきます。
解説
『陰符経』の結びで、自然の静けさが万物を生み、陰陽の押し合いが変化を進める、と説きます。「奇器」が何を指すかは注釈で分かれ、ここでは確かなことは言えません。聖人は自然に逆らわず、それに因って治めるという姿勢は、老子の無為にも近い響きを持っています。八卦と甲子は、易や暦の考え方を指すとされます。派手な策よりも、静かな土台の上に変化が起こる。組織づくりでも、焦らず環境を整えた先で成果が自然に現れるという見方は、実感に合うはずです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
自然の道静陰陽聖人至静奇器
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