呻吟語 / 内篇・存心・靜者は生門、躁者は死戶
靜者生門,躁者死戶。
新字:静者生門,躁者死戸。
書き下し
靜者は生門、躁者は死戶なり。
現代語訳
静かな者には生きる門が、騒がしい者には死ぬ戸口があります。
解説
わずか十字で、静と躁が生死の門に割り振られます。門と戸という二つの語が並び、どちらの入口を通るかで行き先が決まる情景になります。前に出てきた、忍と激の二字は禍福の関、と同じ構えで、この書は要点を関所や門の比喩でしばしば示します。静かにしているだけで生きる側の門に立っている、という単純さが、かえって効きます。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
静躁生門死戸分岐
関連する章句
-
『呻吟語』内篇・問學・萬病は只だ個の靜の字學者の萬病は、只だ個の靜の字のみ治し得る。
-
『慎思録』巻之一水静かなれば則ち清明にして鬚眉を燭らす。其の平らかなること准に中る。大匠法を取る。人心静かにして而る後に能く慮る。慮りて而る後に能く得。蓋し能く慮るとは、明の生ずる所なり。能く得るとは、即ち知り得るなり。故に静かなるに非ざれば則ち明を生ずること能はず。
-
『呻吟語』内篇・應務・停蓄の水は一決して禦ぐ可からず簡靜沉默の人の發用し出で來たるは當たる可からず。故に停蓄の水は一たび決すれば禦ぐ可からざるなり。蟄處の物は其の毒當たる可からざるなり。潛伏の獸は一たび猛なれば禁ず可からざるなり。輕泄驟舉は、暴雨疾風のみ。智者は懼れず。
-
『呻吟語』内篇・談道・靜中に天地萬物を看れば都て些子無し靜中に天地萬物を看れば都て些子無し。
-
『呻吟語』内篇・談道・三氏傳心の要法は靜の一字三氏傳心の要法は、之を總ぶるに「靜」の一字を離れず。下手の處は皆な是れ欲を制し、歸宿の處は都て是れ無欲なり。是れ則ち同じ。
-
『呻吟語』内篇・存心・門は盡日開闔すれども、樞は常に靜なり靜の一字、十二時離れ了らず。一刻才かに離るれば、便ち亂る。門は盡日開闔すれども、樞は常に靜なり。妍媸は盡日往來すれども、鏡は常に靜なり。人は盡日應酬すれども、心は常に靜なり。惟だ靜なるが故に、能く動を張主し得。若し動を逐ひて去らば、事に應ずるに定めて分曉ならず。便ち是れ睡る時も、此の念靜ならざれば、個の夢兒を作すも亦た胡亂なり。